図解のパターンを覚える

――図解メモにはどんな種類がありますか?

図解メモには七つのパターンがあります。

(1)表

たくさんの情報や複数の人の意見を整理したいときに使います。

(2)因数分解

大きな問題や複雑な問題に取り組むときに、アイデアを考える切り口が得られます。

(3)比較

何かを比べてどちらが良いのか検証したいとき。またそれぞれがどう違うのかを示したいときに使います。

(4)マトリックス

モノゴトの全体像を把握し、そのなかの関係性やポジショニングを捉えたいとき。あるいは優先順位を付けたいときに使います。

(5)コンセプト

アイデアを相手にわかりやすく伝えたいとき。

(6)プロセス

何かをステージごとに分けて考えるとき。あるいは相手に手順を伝えたいとき。

(7)線表

スケジュールを可視化してチームで共有するとき。仕事の計画の立案などに向いています。

以上7つを身につけられればベストです。

最も簡単なのは(1)「表」です。新人コンサルタントもこの「表」から始めます。これは図解のもっとも基本的なものですから、まずはこれから説明します。

一番簡単なパターン:表

「表」は3本の線を紙の上部に書きます。

以上です(笑)

――これで終わりですか!?

そうです。図はこれで完成しました。3本の線を引いただけですが、これがとても役に立つんです。例えば、新人営業マンが悩みを抱えているとします。

「電話をかける勇気がない」「営業トークができない」「提案が受け入れられない」など、さまざまな課題がありますが、とりあえずそれらを図の真ん中の線の下に書き出していきます。

そして次は左の線の下に、その論点は何かを書いていきます。論点とは具体的課題の上位概念にある、もっと根本的な問題のことです。左側に論点を書き出すことでたくさんある課題をいくつかの問題にまとめることができます。

つまり、この3本の線を引いた図があれば、悩みや課題で頭がいっぱいになっている状態から抜け出て、それを整理して解決方法を考えることができるということです。

些細なことのようですが、3本の線があるのとないのとでは、発想がまったく違ってきます。通常は真ん中の「課題」しか見えないものですから。

紙に自分の悩みを書き出すことの効果はよく知られていますが、さらにその左右に空欄をもうけると、問題を整理して、より具体的な解決方法や次のステップに意識を向けることができます。