【レポート】

プロマネの大家Rothman氏が提示する17の教訓 - JaSST'10 Tokyo

1 マネージャの仕事とは?

    杉山貴章  [2010/02/01]

    1月28日、29日の両日、東京の目黒雅叙園においてソフトウェアテストに関する国内最大級のイベントである「ソフトウェアテストシンポジウム2010東京(JaSST'10 Tokyo。以下、JaSSTと記載)」が開催された。2003年にスタートした同シンポジウムは今年で8回目を迎え、20本以上の論文発表を含む様々なセッションが行われた。

    本稿ではその中から、初日に行われたJohanna Rothman氏による基調講演「Successful Software Management: 17 Lessons Learned(成功するソフトウェア・マネージメント: 17の教訓)」の様子をレポートする。

    マネージャの仕事とは

    Johanna Rothman氏(Rothman Consulting Group, Inc.)

    プロジェクトマネジメントやソフトウェアテストに造詣が深いRothman氏は、ソフトウェア開発におけるマネージメントの重要さを語った上で、自身の経験から得たソフトウェア・マネージメントを成功させるためのポイントを17項目に渡って紹介した。

    同氏は、マネージャに与えられた主な仕事は大きく以下の3つであると指摘する。

    • チームの最大限の実力を発揮できるようにすること
    • 働きやすい環境を作ること
    • チームの能力をより高めること

    これらの価値をどのように作り上げるかということがマネージャの力であり、そのための方法を考えなければならないとRothman氏は言う。そしてその際の心構えとして「守破離」というキーワードを提示し、「みなさんはこれまで何を学んできて、それをどう活かし、そしてこれからどうやってそれを超えていくのかを考えて欲しい」と語った。

    ソフトウェア・マネージメントのための17の教訓

    本講演はそのヒントとなるポイントを、同氏の経験談を交えながら17項目にわたって解説したものである。以下にその17項目の概要を紹介する。

    何のために給料を貰っていいるのか知る

    自分に与えられたミッションが何かを考えること。ときには肩書きと実際の職務内容が異なることもあり、その場合はまず自分の仕事が何なのかを探る必要がある。

    ポートフォリオ・マネージメントをしっかりと行うこと

    実際に可能な仕事を計画することが重要。そのための手順としては、まず必要と思われる作業を全て抽出し、ランク付けをして、どの作業にどれだけの人を充てるか/充てないかを決定する。また、同等の要件を満たすためのどこまで作業を減らすことができるかという戦略を立てる。

    その他、マルチタスクをしないということも重要。ほとんどの人は一度に複数の仕事のことを同時に考えることができないため、2つ以上の作業を並行して行うとそこでミスが発生する可能性が高まる。

    プライオリティが一番高い項目は、一度にひとつだけに決める

    プライオリティが最も高い仕事を、ひとりのスタッフに一度に複数担当させることは賢明ではない。マネージャは適切にプライオリティを決定し、適切にスタッフに割り振る必要がある。その際、"緊急度"と"重要度"を混同してはいけない。重要とわかっている作業は、緊急な状態に陥らないように配慮することが大事。

    意思決定はスタッフに聞いてから行う

    もし上司から何か要求された場合には、その場ですぐに意思決定せずにスタッフ相談すること。ソフトウェアというのは生き物であり、日々状況が変わるためマネージャが即答できない問題も多い。また、スタッフに話すことでスタッフのことを気にかけているとチームに伝えることができる。

    その仕事に合ったベストな人を採用する

    いかに優れた人材でも、同じタイプの人ばかり集めるのは効果的ではない。キャリア、知識、性格、性別など、多様な人材からなるグループの方がいい意見が出る。そして、常に「もしあと一人増やしていいと言われたら、どんな人を採用するか」を考えておくこと。

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