前述のようにエンタテインメントとニュースなど、メディア系コンテンツの消費に役割が集中しており、Appleのタブレット製品は、ある意味で究極のメディアマシンといえる。出版社や新聞社との提携で電子ブックリーダーとしての道を模索しているという情報は以前にもお伝えしたが、New York TimesやHarperCollins以外に、続報として新たな出版社グループとの提携の話が出てきている。報じているのは米Bloomberg傘下のBusinessWeekで、同誌によればHearst Corp.、McGraw-Hill Cos.、Hachette Book Groupなどの名前が交渉相手として挙げられている。特に、Appleは電子書籍以外にも教育現場でのタブレット活用も重視しているといわれ、以前に紹介したWSJの記事のように、AppleとMcGraw-Hillの教育部門が共同で電子教科書としての活用を検討しているようだ。その成果の一部は昨年10月にMcGraw-Hillが発表したiPhone/iPod touch向けの600タイトルの電子書籍に現れているという。

App Storeの資産をそのままタブレットに引き継ぐことが目標

そしてアプリケーションの種類と並んでユーザーや開発者が最も気にしているのが、タブレットに搭載されるソフトウェアの話だ。タブレットにはiPhone OSの最新バージョンが利用されるという噂が出ているが、Flurryによればテスト中のタブレットで利用されているのはOS 3.2という未リリースのバージョンだという(現行はOS 3.1.2)。新バージョンではハードウェアやソフトウェア動作上の大きな変更(マルチタッチ対応やマルチタスク対応など)が行われるため、既存ソフトウェアがそのまま動作しなくなる懸念が挙がっているが、Appleでは既存の13万本以上といわれるApp Storeの資産をそのままタブレットに引き継ぐことが目標だという。これはつまり、既存のiPhoneやiPod touchに加え、タブレットの販売台数がそのまま対応プラットフォームとして加算されることになり、開発者にとってはさらにビジネスチャンスが広がるというメリットがある。