【インタビュー】

為替を動かす人間の"恐怖心"に着目 - CIT「CaesarFX」のアルゴリズムとは?

    牧野武文  [2010/01/15]

    「ほとんどのテクニカル分析には根拠がない」と結論

    CIT開発担当 冨山智広氏

    前回紹介したCITのFXトレードシステム「CaesarFX」。そのCaesarFXのアルゴリズムはどうなっているのだろうか。「まあ、マジシャンのタネみたいなもので、あまり多くは明かせないんですけど(笑)」(CIT開発担当の冨山智広氏)と言いつつ、基本的な考え方を教えていただいた。

    読者の多くがご存知のように、株などの分析手法には、ファンダメンタル分析とテクニカル分析の2種類がある。ファンダメンタル分析とは企業の財務状況や営業利益、株価収益率などの基本的な指標を分析して、将来性のある企業、あるいは割安感のある企業の株を買うというもの。一方で、テクニカル分析とは株価チャートを駆使して、直近の値上がり値下がりを予知しようとするもの。チャートにさまざまな補助線を入れて、「この線とこの線がクロスしたら買い」などとするものだ。

    「さまざまなテクニカル分析の手法を解析してみてわかったことは、ほとんどの手法に根拠がないということでした」(冨山)。例えば、25日移動平均線や200日移動平均線を引いてみて、トレンドを予測するなどというのはテクニカル分析の基本的な手法だが、冨山氏は「なぜ25日なのだろう。24日ではだめなのか」と考えていった結果、統計的な根拠は全くないことが分かったという。

    そこで、冨山氏の考えは、ファンダメンタル分析に向かう。FXでのファンダメンタルとは各国の外貨準備高や貿易量などの指標だが、詳細はもちろん秘密だ。株の世界では、ファンダメンタル派は「長期投資派」「低リスク派」であり、テクニカル派は「短期投資派」であり「高リスク派」ということができるが、FXの世界ではなぜか80%以上の投資家がテクニカル分析に頼っているという。理由はよく分からないが、テクニカル派が圧倒的であるのがFXの世界だ。システムトレード志向の人は、さらにテクニカル分析に惹かれている人が多い。その中で、ファンダメンタル的な分析手法を基礎にしたCaesarFXはきわめて珍しい存在だ。

    「ローテク」である仮説を「ハイテク」で検証

    「ファンダメンタル指標を基礎に、さまざまな仮説を立てていきます。その仮説を検証してみて合理性が認められれば、システムに組み入れていきます」(冨山)。どんな仮説があるのかも、まさしくCaesarFXの秘密中の秘密だが、例えば今日相場が下がったとすると、翌日相場が反発する確率は約1%増加するという。

    「意外にシンプルなんですよ。今日雨が降ったから、明日は晴れるだろうみたいな。ある意味ばからしいかもしれません。でも、このばからしいことの背景にどんな理論が隠されているんだろうということを、きちんと調べてみた人は今までいなかったようです」(冨山)。着想はある意味だれでも思いつくようなシンプルなものだ。

    CIT代表取締役 杉本貴秀氏

    しかし、CaesarFXが違うのは、この着想の背景にある理論を調べ、「何%の確率でそういえるのか」という統計理論まで落としこむ点だ。ここがCaesarFXのキモといってもいい部分だ。「仮説を考えるのは人間ですからローテクなんです。でも、CaesarFXはハイテクなんです」(代表取締役杉本貴秀氏)。

    これはこういう意味だ。仮説を考えだすのはあくまでも人間だ。しかし、その仮説をデータにあてはめて、使える仮説であるのかどうかを検証する。これには膨大な計算処理が必要になる。「100個の仮説を考えだしても、使えるのは1つあれば上出来な方」(杉本)。CaesarFXにはシンプルでローテクな仮説が無数に組み入れられている。しかし、その背景には100倍の数の仮説を捨てるという作業が存在しているのだ。

    では、CaesarFXが直近の相場を極めて正確に予想できるとして、どのようにして利益を出していくのだろうか。それが前回も触れた「市場の歪みをピンポイントで狙いにいく」と手法だ。例えば、株式市場でリーマンショックのように市場に大きな影響を与える出来事が起きたとする。すると株価は大きく下がるだろう。これはごく当然の反応だ。

    「CaesarFX ひまわり証券版パフォーマンス USD/JPY(投資元本 : US$ 10,000、データ期間 : 2006年12月~2009年5月)」(※検証結果は過去のデータであり、将来の実績及び確実な利益を保証するものではない)

    「でも、人間には恐怖心がありますから、本来下がるべき価格よりも下がりすぎてしまうんです」(杉本)。同じように好材料がそろい、価格が大きく上昇したときも本来あるべき価格よりも上がりすぎてしまう。このような市場の過剰反応は、いずれ適正な価格に戻る。要するに下がりすぎた価格は反発するし、上がりすぎた価格は反落する。ここをCaesarFXは積極的に狙っていく。

    「スイングトレード手法」で1年のうち2割の期間に利益狙う

    このようにCaesarFXは、人間の心理が作りだす市場のゆがみを狙っていく。

    「ですから、市場の参加者全員がCaesarFXを使ったとしたら、全員が損をすることになってしまいます」(杉本)。全員が合理的な市場ではだれも利益を得ることができず、手数料分だけ損をすることになってしまう。そのため、CaesarFXは無制限に販売するわけではない。「投資額の総量はいつもウォッチしています。CaesarFXをお使いの方の投資額の総量が大きくなってくると、理論的には次第に勝ちづらくなっていきます。ですから、市場に影響を与えそうな投資額に達したら、CaesarFXの販売は中止しようと考えています」(杉本)。もちろん、そのときにはCaesarFXとは別の性格づけをした新しいトレードシステムを提供することになるだろう。

    FX市場は1年のうち8割の期間は、相場が小さく上がり下がりして、なかなか利益を出すことが難しい。しかし、2割の時期は大きく乱高下する。CaesarFXはこの2割の期間に利益を取りにいくスイングトレード手法のシステムだ。そのため、売買回数が少ない。月に6、7回程度だ。

    「ですから、FX初心者の方にお薦めです。売買回数が少ないので、毎日どうなっているか気になってしかたがないということがありません。私たちも投資知識を皆様にお伝えするため、セミナーやレポートなどのサポートも行っていますので、いっしょにこれからFXを勉強していきましょうという方にぜひお薦めしたいです」(杉本)。

    現在のCaesarFXはユーロ・ドル、ポンド・ドル、ドル・円の3つの通貨ペアをセットで扱い、ポートフォリオを作りリスク分散する仕組みになっている。今後、CITではCaesarFXとは異なる性格づけのトレードシステムも開発していきたいという。

    さらに、前回紹介したマネーマネージメントの機能もCaesarFXの中に組み入れていきたいという。CaesarFXは意外にもシンプルなアルゴリズムである分、初心者にもシグナルの意味が理解しやすい。しかも、CITが豊富なセミナーやレポートで情報提供をしてくれる。初めてFXトレードをしてみる、初めてシステムトレードをしてみるという人には、敷居が低く入りやすいはずだ。

    関連記事

    関連サイト

    CIT
    関連したタグ

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      2012年5月27日の運勢

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン