パシフィコ横浜で11月18日~20日のスケジュールで開催されたEmbedded Technology 2009/組込み総合技術展(ET 2009)においてIntelのDouglas Davis氏が「エンベデッド・インターネットへようこそ」というタイトルで招待講演を行い、この中で同社のEmbedded向け製品に対する取り組みや将来製品の紹介、さらにいくつかの発表を行った。

150億台の機器

Davis氏は、「2015年には150億台もの機器がInternetに繋がるとされている(Photo02)」、とした上でこうした機器を作るにはIA(Intel Architecture)が最適であると強調(Photo03)、その火付け役となったのはAtomプロセッサであるとし、すでに2,000を超えるDesign Inがあるとしている(Photo04)。そして今後もさらにIAのイノベーションがEmbedded Marketにも大きな影響を与えうる、と説明する。

Photo01:Douglas L. Davis氏(Vice President,Intel Architecture Group,General Manager,Embedded and Communications Group)。氏は昨年もやはりETで講演を行っている

Photo02:これは統計の取り方でだいぶ幅があるので、もっと数字が多い統計もあるだろうとの事。個人的にはそれよりも、2015年までに150億台の機器が繋がるIP Networkがある(=バックボーンやアクセスラインのIPv6化が終了している)のかが心配である

Photo03:というか、現時点で電力を消費する多くのデバイスがコンピューティング能力をすでに持ち合わせているが、そのほとんどが8~16bitで足りているというのが正直なところで、ここにIAが必要となる日がいつ来るか? というのはまた別の問題。2015年にアイロンの温度制御にIAが要るか、といえばまだ多分要らないだろう。このあたりはIntelも重々承知の話ではあるが

Photo04:ここで言うDesignは、Atomを搭載したカスタムボードを新規に起こしたもの以外に、Atomを搭載した汎用モジュールを使ってシステムを作ったものも当然含まれると思われる

Photo05:ある程度以上のパフォーマンスが必要とされるエリアでは、これは間違いなく事実である。ただIntelは、最近はInternetに繋がるEmbedded Deviceは全部IA的な言い方をするが、8bit MCUにすらTCP/IPスタックが載っている現状を鑑みると、やはりこれはある程度以上の性能が必要な用途向けの話に留まると思う

そのイノベーションの例として示したのが、Intelが来年投入するWestmereとPineViewである(Photo06)。今回はわざわざWestmere(Photo07)とPineView(Photo08)のウェハを公開した。また講演の前に行われた記者説明会では、実際にWestmere(というか、Clarkdale)とPineViewのパッケージも公開された(Photo09,10)。

Photo06:Core i3/i5向け(とXeon向け)のCPUコアとなる、32nmプロセスのWestmereと、AtomにGMCHの機能を統合した45nmプロセスのPineView。どちらも恐らく2010年のCESの前後に発表されると見られる

Photo07:こちらが32nmのWestmereのウェハ。Clarkdaleはこれに45nmで製造されるGPUを組み合わせてパッケージングすることになる

Photo08:こちらが45nmのPineviewのウェハ

Photo09:パッケージサイズが横長に見えるのは、やや角度がついているため。実際にはLGA1156の37.5mm角となっており、ここからCPUのダイサイズはおおよそ9.4mm×12.8mmの120.3mm2程度、GPUのダイサイズはおおよそ10.3mm×16.7mmの172.0mm2と推定される

Photo10:こちらはPineView。パッケージサイズが不明だが、現行のAtom Nシリーズなどと同じ22mm角と推定すると、ダイサイズはおよそ9.6mm×8.8mmの84.5mm2。現行のAtomが25mm2であることを考えるとずいぶん大きいが、Davis氏によればPineViewはSingle CoreとNative Dual Coreの両方があるそうで、これがDual CoreだとすればCPUコアの分が50mm2で、残りの34.5mm2がGMCHの分ということになり、これは比較的納得しやすい数字である