NXP Semiconductorsは、都内にて同社の照明用ICビジネスに関する説明会を開催、今後市場拡大が見込めるCFL(Compact Fluorescent Lamp)やLED照明についての見かたおよび同社の製品などの概要説明を行った。

同社の電源ソリューション関連の売り上げは2008年で7,500万ドル以上、その内の約2,500万ドルが照明用製品で占められている。電源ソリューション全体としてはAC電源および照明用コントローラなどに注力しており、これまでに約10億個の出荷を達成しているという。

NXP Semiconductors シニア・ディレクター兼パワー/ライティングソリューション プロダクトラインマネージャーのStephan Curral氏

こうした取り組みに対し、同社シニア・ディレクター兼パワー/ライティングソリューション プロダクトラインマネージャーのStephan Curral氏は、「我々としては高効率A/Dコントローラや照明用コントローラの分野として、パソコン、デジタル家電、そして照明という3つの分野に注力してきた。中でも照明は白熱電球型CFLやLED照明の登場などにより市場の拡大が期待されている」と説明、そうしたCFLやLED照明向けドライバ各種が成長エンジンの1つとなっていることを強調する。

照明市場全体としても、11月に開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)において、日本の鳩山総理大臣が消費電力が少ないLED電球を各国の首脳に紹介するといった一面や、白熱電球を廃止しようという動きなどがあり省エネ型ランプへの注目度が高まっているのも事実。そうしたことも背景としてあるため、同氏も「エンドユーザー、カスタマ、立場はさまざまだと思うが、是非この照明革命に参加してもらいたい」と強調する。

同社のパワーマネジメント製品が注力する3つの分野

また、同社では「LEDやCFLになり調光対応するのにコントローラが要求されるようになり、そうした調光対応の照明製品が市場を牽引。2013年までにCFLが大きな市場を形成し、LED照明もそれに追随して市場が1億ドル規模に成長することが見込まれている」(同)とする。

照明市場の推移予測(数値は調査会社の予測)

こうした市場の動きに対し同社でもLEDドライバおよびCFLドライバ製品の強化を進めており、LEDドライバでは調光対応の「SSL2101/2102」の量産出荷を開始したほか、高出力に対応したLEDコントローラなどの提供を行っている。こうした製品は「バレースイッチングによる高効率を実現しており、同じ型の白熱電球比で1/5の電力/光度を達成している」とするほか「直接電源につなぐことのほか、バックコンバータ構成にも対応することで、1つのICで2つの回路構成を実現することができるのが特長」(同)と説明する。

NXPの提供するLEDドライバ/コントローラ(同社ではFETを内蔵しているものをドライバ、非搭載のものをコントローラと分けている)

一方、CFLドライバに対しても調光用製品などを提供しており、「スイッチ用FETやブートストラップダイオードを内蔵し、小型化を実現しているほか、深調光に対応し、ステップ調光への対応が可能といった特長がある」とするほか、「調整可能なプリヒート時間・電流を持たせることで、ランプの長寿命を実現したり、特許を活用したことによる短時間立ち上がりの達成や各種の保護機能を搭載したことによる安全性の確保なども実現している」(同)とする。

NXPのCFLドライバ/コントローラ

日本市場については、「NXPは、日本のLED照明市場にはすでに参入済みで、すでにLED照明のドライバとして市場に流通しているものもある」と同氏はコメントしており、そうした意味では世界の先端を行く市場の1つであり、同社として日本に大きな期待を寄せているとし、「日本のカスタマをしっかりとサポートしていくことをコミットする。すでに照明専用のサポートチームの構築を進めているので、是非、今後に期待してもらいたい」(同)とした。

なお、同社としてはドライバの効率はLED、CFLともに同程度としており、コストの面でこの数年間CFLが伸びるが、3~4年でLEDの発光効率は180~200lm/Wに達し、コストも相当下がるはずと見ており、その後はLED照明が市場を拡大していくものとしている。

SSL2101/2102を搭載したLED照明用評価ボード(中央のチップがLEDドライバとなる)