皆さんは、「SAPマイスター制度」というものをご存知だろうか。

同制度は、業務とITの両面に精通し、専門性が高く幅広い実践的な知識・経験を有するSAP認定コンサルタントを称えるプログラムである。受賞したコンサルタントは、SAPマイスターへの殿堂入りとなり、「SAPマイスター」の称号が授与される。

そのSAPマイスターの伝達式が7月21日に行われ、テクノスジャパンのコンサルタント2名が日本で初めて殿堂入りを果たした。

彼らを育て上げたテクノスジャパン 代表取締役社長の城谷直彦氏と、SAPマイスターに認定された石橋照二氏、宇部晋氏の両名に対して、SAPジャパンがインタビューを行ったのでその模様をお伝えしよう。

日本初のSAPマイスターを輩出したテクノスジャパンの注力分野


――まずは、テクノスジャパン 代表取締役社長の城谷氏に、同社のコンサルタント2名がSAPマイスターに認定されたことへの感想と、テクノスジャパンとしての注力分野について話を聞いた。

SAP: SAPマイスターの殿堂入りおめでとうございます。制度制定後、最初の殿堂入りとなりましたが、ご感想をお聞かせください。

テクノスジャパン 代表取締役社長 城谷直彦氏。同社は、日本初のSAPマイスターを2名輩出

城谷氏: 当社としては、将来を担う事業の大きな柱として以前からSOAに注目してきました。その中で、SAPマイスターの話を聞いたのです。

SAPマイスターは、これまでの認定資格よりレベルが高く、SOAを意識したものだと聞きました。そこで、当社のSOAに取り組む姿勢をアピールする上でも、真っ先にSAPマイスターを輩出したいと考え、社員にできるだけ早く殿堂入りするように指示していました。

できることなら一番に殿堂入りしたいと考えていましたから、日本初第一号、第二号のSAPマイスターが我が社から誕生したというのは大変うれしいですね。

SAP: 御社は、すでにSOA化を推進するプロジェクトなどで実績を積まれており、SOAについて先行している印象を受けます。今日のようなポジションを築くまでにどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。

城谷氏: 以前から基幹システムはサービス化していくべきだという思いがありました。ツールを使ってシステムの機能をサービスとして再利用できるような仕組みがあれば、効率よくシステムを構築できます。サービスを中心にシステムを捉えるのがSOAの世界ですから、SOAは私の考えに合致したものだったのです。

しかし、ユーザーの皆様にSOAの本質をしっかりと理解していただくには、まず私たちが一般論を理解しなければなりません。そこで、研究チームを4年前に発足させ、セミナーに参加したり、他社と共同で勉強会を開催するなどして、SOA全般を研究させてきました。

SAP: SAPがSOAに取り組みはじめて間もない段階で、市場展開に向けての協業も開始しておりますし、他社と比べても早くからSOAの世界を意識されていましたね。

城谷氏: SAPビジネスを始めるために会社を設立し、それから15年が経ちますが、今もSAPビジネスが当社のメインビジネスであることに変わりはありません。

一2年前にはSAPと共同で社内にSOAソリューションセンターをオープンして、本格的にSAP NetWeaverを基盤としたSOAビジネスに取り組み始めました。SOAソリューションセンターを開設したのは、SAPパートナーとしては、日本で3社目だったと記憶しています。

SAP: 今回のSAPマイスターの殿堂入りで、SOAビジネスに弾みが付きそうですね。

城谷氏: 専門分野のトレーニングにも参加し、高いハードルをクリアして取得した資格ですから、ぜひ、SOAビジネスの拡大につなげたいですね。日本のSAPパートナーの中で、SOAに最も力を入れていることを印象づけるうえでも、一番最初に殿堂入りしたことには大きな意味があると思います。

現在、SOAソリューションセンターには15名のコンサルタントがいますが、今後、1年半以内に15名全員にSAPマイスターになってもらうと考えています。会社として、いかにSOAに注力しているかを表す指標にもなります。

SAP: 今後の展開についてはどのようにお考えでしょうか。

城谷氏: SAPの世界のSOAビジネスを拡大するためには、SOAを分かっていて、さらにSAPのプロセスが分かっていることが、一番重要です。両方を知らなければ、お客様のニーズには応えられません。

当社の中に、両方の分野に精通したエキスパートをたくさん育て、ユーザーの皆様に「SOAのことならテクノスジャパン」と思われるように、活動していきます。先日も、豆蔵さんと共同でSOAについてのセミナーを開催しましたが、こうした活動を通して当社の強みをアピールしていきたいと考えています。