「Kindle 2 International版」を購入

2009年10月7日にAmazon.comで電子ブックリーダ「Kindle 2」のInternational版の予約販売が始まったので、早速、申し込んだ。出荷開始は10月19日からで、筆者のKindle 2もこの日に発送されたのであるが、太平洋を越え、成田で通関して、我が家に届いたのは10月22日である。

なお、10月20日に巨大書店チェーンを全米に展開するBarnes & Nobleが「Nook」をKindle 2より20ドル安い259ドルで発売し、残念と思ったのであるが、10月22日にはAmazonもKindle 2を同額に値下げし、すでに購入した顧客には20ドルの返金を決め、筆者のところにも連絡のメールが送られてきた。

Kindle 2本体(左)と同梱のマニュアル(右)とACアダプタと充電用のマイクロUSBコネクタのついたケーブル(上)

Kindle 2のパッケージには、本体と、充電用のACアダプタとUSBケーブル、そして初期操作に関する紙のマニュアルが入っている。

今回発売されたInternational版では、サポートする各国の携帯電話網に接続する機能が付加されている。実は、これまでのKindleはSprintの携帯電話網を使っていたのであるが、今回の国際版では国外でのローミング網が充実したAT&T Wirelessに乗り換えている。ということで、我が家のKindle 2はAT&T Wirelessの端末で、国際ローミングでKindleストアに接続するという使用形態になっている。通常、国際ローミングは値段が非常に高いのであるが、Kindle 2は使用料は無料(コンテンツの販売価格に含んで回収すると思われる)で、Kindleストアに接続して本をダウンロードして購入することができる。当然、Amazonは通常の国際ローミングとは異なる特別の契約をしているのであろう。

AT&T Wirelessは日本ではNTTドコモとソフトバンク モバイルが接続しており、日本の関東地区でのカバレージは以下の図のようになっており、都市部はほぼカバーされている。

なお、全国のカバレージに関しては、「Kindle with US. & International Wireless」のWebサイトを参照戴きたい。

このダウンロード販売であるが、本には版権があり、同じ本でも米国の版権者と日本の版権者が異なれば、日本の版権者と契約しないと日本ではダウンロード販売できない。このため、米国では35万冊の購入が可能であるが、日本で購入できるのは約30万冊に留まっている。

現状では、KindleのInternational版で追加された機能は、この各国の携帯電話網接続だけであり、読める本は英語、添付された紙のマニュアルも本体に格納された電子マニュアルもすべて英語である。コンテンツデリバリの観点では、米国本土とプエルトリコしかカバーしていないB&NのNookと比べると多くの国で国際ローミングに対応しているのは大きなメリットであるが、コンテンツの内容に関しては、英語だけというのはNookと同じである。しかし、日本で洋書を売るビジネスだけのために携帯網接続をするとは考えられず、当然、Amazonはコンテンツに関しても日本語を含む各国語対応し、大きなビジネスを考えているはずである。

Kindle 2国際版を使う

Kindle 2は、E-inkの6インチのEペーパーディスプレイとその下側にQWERTYのキーボードが配置されているという構成になっている。このキーボードは書名や著者名などで検索したり、読んだ本に自分でノートを書き込んだりするのに使うのであるが、お世辞にも使い勝手が良いとは言えない。

Kindle 2 国際版の前面

そして、左辺には前ページと次ページのボタン、右辺にはHOMEと次ページボタンがあり、その下にメニューとバックボタン、そしてその間に4方向のカーソル移動と決定ボタンを兼ねるスティックが配置されている。次ページボタンが一番操作頻度が高いことから、右手でも左手でも操作できるように、大きなボタンが両辺に配置されている。

また、写真では見えないが、上辺の上側の面にスライド式の電源スイッチとヘッドフォンジャック、右辺の面にボリューム、下辺の面に充電用USBコネクタと充電状態を示すLEDが配置されている。そして、裏面にはスピーカーが配置されている。

まず、本体への充電であるが、本体下部のマイクロUSBコネクタにUSBケーブル接続して充電を行う。付属のACプラグ型の電源アダプタ、あるいはパソコンなどのUSBコネクタから充電ができ、充電中はオレンジのLEDが点灯する。そして、充電が完了するとグリーンのLED表示になる。

充電用マイクロUSBコネクタへの接続と充電状態LED表示

なお、このUSB経由でパソコンからUSBディスクとしてアクセスすることができ、パソコンとの間でファイルの転送が可能である。しかし、電子ブックは「.azw」という拡張子の専用フォーマットであるので、パソコンでは表示できない。