【レポート】

う、うまい。うますぎる!? あの銘菓も登場 - 女流棋士、矢内理絵子女王と巡る<行田観光案内>

    寺田祐子  [2009/11/04]

    第2期マイナビ女子オープンで初防衛を果たした女流棋士・矢内理絵子女王は行田市内の小・中学校に通い、現在では行田市観光大使も務めている。そんな、矢内女王に縁の深い行田市は、全国でも名が知れ渡っている「埼玉古墳群」をはじめ、歴史小説『のぼうの城』の舞台となった忍(おし)城などの観光名所に恵まれ、「ゼリーフライ」や「フライ」といった、B級グルメの地としても知られている。矢内女王に、行田の魅力を案内してもらった。

    行田市観光大使として活躍される矢内女王に案内していただきました!

    まず、最初に向かったのは、関東7名城と謳われた忍城。来年映画化が予定される、歴史小説『のぼうの城』(和田竜著)の舞台として知られる。忍城は天正18(1590)年、豊臣秀吉による小田原平定の際、秀吉方の武将・石田三成によって水攻めに遭ったが城は沈まず、忍城は「浮き城」としてその名を轟かせた。江戸時代になると、親藩・譜代16人の城主が在城し、忍藩10万石の要として栄えた。明治維新の際に取り壊されてしまったものの、三成の築いた堤は、市内堤根地区に「石田堤」として、今も一部が残っている。

    忍城の歴史をもっと知りたくなったら、忍城本丸跡に建てられた「行田市郷土博物館」に立ち寄ろう。忍城の中心的建築物だった御三階櫓は1988年に再建され、郷土博物館の展示室として使われている。最上階は展望台になっているので、城主になった気持ちで、行田の街を眺めてみるのも一興だ。

    御三階櫓と一緒にパチリ。「小学校のとき従兄弟と一緒に遊びに来た思い出があります」

    御三階櫓の展示室では、矢内女王とも親交の深い、吉田寅義氏の将棋盤も展示されているのを発見。吉田氏は現代の名工として数々の将棋盤、碁盤を作りつづける碁盤師だ

    小腹が空いたところで、忍城からほど近い水城公園近くの「駒形屋」へ。ここは矢内女王行きつけのお店。B級グルメとして県外にも知られる「ゼリーフライ」は、「銭フライ」と呼ばれていたものがなまったもの。ソースの味と香りが食欲をそそり、オカラやニンジン、ジャガイモなどの食材が使われているので、ヘルシーながらふんわりとした食感がたまらない。値段も1本60円と安く、テイクアウトも可能。

    矢内女王行きつけのゼリーフライのお店「駒形屋」さん。いつもお客様でいっぱい

    ゼリーフライ。1本60円とリーズナブル

    「家族の分をまとめて購入したら、小学生に『お姉ちゃん、それ全部食べるの? いいなぁ』って言われちゃいました(笑)」

    お腹も満たされたところで、市内巡回バスを使って埼玉古墳群へと向かう。同古墳群は1938年、国史跡に指定され、1966年からは「さきたま風土記の丘」として整備が進められている。国宝に指定された「金錯銘鉄剣」が出土したことで全国に知られる稲荷山古墳をはじめ、丸墓山古墳、将軍山古墳など9基の大型古墳がある。古墳の一部には階段が整備されているので、古墳頂上からの眺めを楽しむことも。

    丸墓山古墳から稲荷山古墳を眺める。「遠足で訪れたり、自転車に乗る練習に来たり。今でも散歩で立ち寄りますし、たくさんの思い出が詰まった場所です」

    矢内女王にとって、埼玉古墳群は小学校の遠足などで何度も来ている馴染みの深い場所。現在も趣味の散歩の際には訪れるという。「春は桜がたくさん咲いていて、とても綺麗なんですよ」と笑顔を見せる。ここには、金錯銘鉄剣など稲荷山古墳から出土された副葬品が展示されている「県立さきたま史跡の博物館」や古墳の内部が見学できる「将軍山古墳展示館」もあるので、散策ついでに立ち寄ってみるのもいいだろう。

    緑が多く、散策スポットに最適

    「県立さきたま史跡の博物館」では国宝の金錯銘鉄剣が展示されている

    ランチは、さきたま古墳公園から足を運んで「ビストロ ふじやま」を訪ねた。お勧めは「フォアグラ丼」(みそ汁・お新香・ドリンク付き1,600円)。フランス産フォアグラと鶏胸肉の照り焼きとの味覚の相性が絶妙な逸品。都内有数のホテルで約20年間勤めた鈴木将隆氏がオープンしたお店だ。鈴木氏は、矢内女王が初代女王の座についた「第1期マイナビ女子オープン」の就位式が行われた際、その料理を担当したという、矢内さんとも馴染みの深いお店だ。

    フォアグラ丼。フランス産フォアグラと鶏胸肉の照り焼きとの味覚の相性が絶妙

    客席は約50席、座敷をそのまま残した造り。矢内女王も最近、プライベートで訪れたそうです

    続いて、矢内女王が「是非連れて行きたい」と、案内してくれたのは古代蓮の里公園。6月中旬から8月中旬にかけて10万株41種類の花蓮を見ることができる。なかでも、行田蓮は花弁の数が少ない原始的な形態を持ち、約1400~3000年前の蓮とも言われている。蓮の開花時期でないこの時期、矢内さんがお気に入りのスポットは、展望タワー。元旦には展望タワーから初日の出を見た(入場は抽選)という。古代蓮の里内にオープンした古代蓮会館からエレベーターに乗り、展望室に上がると地上50mの大パノラマが楽しめる。

    お正月は展望タワーから初日の出を眺めたという矢内女王

    田んぼアートを発見!!

    そして夜は、「もんじゃ・お好み焼き わいず行田店」へ。わいずは埼玉県を中心に9店舗(2009年10月末現在)を展開しているので、行田市民でなくても知っている人はいるのでは? わいずの由来は、オーナーが「矢内」姓であることから、矢内の「Y」から「わいず」と名づけられた。お察しの方もいるかもしれないが、矢内女王の親戚が経営されている。豚肉・チーズ・もち・山芋が入った「わいず天」や、七種の具材をちょっとずつ楽しめる「七色花火天」といったお好み焼きのほか、もんじゃ・焼きそばなども充実。

    もんじゃ・お好み焼き わいず行田店

    矢内女王のお父様自身も以前、お好み焼き屋を経営されていたので、かえしの使い方も手馴れたもの

    矢内女王の作ったお好み焼き。ふんわりしていて、とってもおいしかったです!

    さてそろそろ帰る時間に。お土産を求めて、十万石行田本店へ。埼玉県民なら知らない人はいない(!?)ほど有名な「う、うまい。うますぎる」のCMで知られる「十万石まんじゅう」が購入できる。十万石は、忍藩10万石にちなんだもので、忍城を見た帰りは是非立ち寄りたいもの。

    十万石行田本店は1880年代に呉服屋の店蔵として建造され、その後足袋蔵としても使われた。2007年6月には、国の有形文化財として登録されている。

    埼玉県民なら誰でも知っている(!?)十万石まんじゅうだ!!

    行田は足袋産業で栄えた町。行田市内には、十万石行田本店以外にも足袋蔵などが点在する。足袋とくらしの博物館では、足袋で栄えた行田の歴史や作り方などが紹介されている

    元職人による実演も行われる。昭和13年(1938)の足袋生産量は8,400万足で、これは全国生産の約80%を占めていたのだとか

    矢内さんにとって行田は「ゆっくりと時間が流れているところ」。そんな行田を楽しむなら徒歩を中心に自転車や市内巡回バスを使うことをお薦めしたい。特に自転車は、市内4カ所に乗り捨て可能なレンタルサイクル(しかも無料!)がある。東京からの日帰り旅行にも最適な行田。11月8日には、「第2回行田市B級グルメ大会」が開かれる。「ゼリーフライ」をはじめ、関東・東北地方の有名B級ご当地グルメが出展されるという。開催場所は行田市役所周辺(駐車場)で、時間は10:00~16:00。入場は無料(B級グルメ料金は別途必要)。同時開催で、「忍城水攻め攻防戦」をテーマに成田軍対豊臣軍の戦いも再現される「行田商工祭・忍城時代まつり」も開かれるので、週末立ち寄ってみてはいかが?

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