manzo

2009年10月よりtvkほかで放送開始となった神奈川県川崎市高津区溝の口で世界征服を狙う悪の組織の川崎支部の怪人たちと、ご当地のヒーロー・天体戦士サンレッドが繰り広げる戦いの日々を描いたギャグアニメ『天体戦士サンレッド(第2期)』。11月9日からは、全国のケーブルTVやスカパー!、スカパー!e2、スカパー!光などで視聴可能なCS放送局「キッズステーション」でも放送がスタートする(毎週月曜日23時00分~ほか)。放送開始を記念して、アニソンライブ番組として人気の「アニぱら音楽館」にて、『天体戦士サンレッド』特集が行われ、第1期に続いて、第2期でもオープニングテーマを担当するmanzoがゲストで登場する。

番組では、第2期オープニングテーマ「続・溝ノ口太陽族」はもちろん、第1期のオープニングテーマ「溝ノ口太陽族」を近江知永とのコンビで披露するなど、ライブ形式によるmanzoの魂の熱唱が楽しめる。そのほか、レギュラー陣とのトークも必見! 「サンレッド」を知らなくても楽しめる、サンレッドファンならさらに楽しめる内容となっている。

番組の詳細については放送を楽しみにしていただくとして、今回は、収録後にmanzoが語ってくれたメッセージを紹介しておこう。

manzoが語る『天体戦士サンレッド』オープニングテーマ

――まずは、「アニぱら音楽館」に初めて出演した感想をお願いします

「とにかく皆さんパワフルで、影山(ヒロノブ)さんにしても遠藤(正明)さんにしても、僕より先輩じゃないですか。でも、全然そんなものを感じさせないエネルギッシュなステージを拝見して、正直ちょっとへこんでます(笑)。もっとちゃんとやらないといけないなと、襟を正されましたね」

――レギュラー陣とのトークはいかがでしたか?

「ギャップがすごいなと思いました。あれだけ脱線しまくりの、ちょっと喜劇が入った感じのトークに対して、いざ演奏がはじまったときのステージでの迫力。あのギャップはたまらないものがありますよね。ステージではものすごくカッコよく、でもひとたび舞台を降りると……。そこにプロのすごさを感じました」

――今回ステージにて生で歌ってみた感想はいかがですか?

「『続・溝ノ口太陽族』はニューヨークでレコーディングを行ったのですが、そのときは向こうの名だたるミュージシャンに生で演奏してもらっているんですよ。ジャパンバージョンは基本的に僕の打ち込みなので、そのとき以来の"生"ということになるのですが、やはり迫力が違いますよね。聞くところによると、僕の曲って演奏するのが面倒くさいらしいんですよ。一番と二番で譜面が違っているので、リピート記号が使えず、僕の楽譜だけ忍法帖みたいに長くなってしまって、よく怒られるんですけど(笑)、今日のバンドの皆さんは、それを涼しい顔で演奏なさっていたので、素直にすごいなって感動しました」

――manzoさんも一緒にギターを演奏なさっていましたよね

「だから余計に楽しかったですよ。こんな機会はなかなか無いので、暴れさせてもらいました(笑)。僕は高校や大学のときにバンドをやっていたので、"青春"ではないですけど、すごくそのころの気持ちを思い出しましたね、曲はちょっと演歌っぽいところもありますが、気持ちはかなりロックな感じで挑ませていただきました」

――「溝ノ口太陽族」では近江知永さんとのセッションとなりましたが、そのご感想は?

「彼女はけっこうハイトーンで歌うという印象があったのですが、今回は低音の魅力を感じました。女性にこんなことをいうのも失礼なのですが、ドスが効いていてカッコよかったです。パワフルでしたよね。なので、負けていられないなという気持ちで挑ませてもらいました。人が一人増えるだけでも躍動感が全然ちがってきますから本当に面白かったです。まさか歌ってくれるとは思っていなかったですし、正直なところ、最初はどうなるのかなって思っていたのですが、実際にやってみたら意外や意外という感じで、ちょっとびっくりしました」

「溝ノ口太陽族」では近江知永とセッション

――さて、楽曲のことをお伺いしたいのですが、第1期の「溝ノ口太陽族」、第2期の「続・溝ノ口太陽族」ともにヒーローソングでありながらも、普通のヒーローソングとは一線を画していますよね

「演歌には"ご当地ソング"というものがありますが、ヒーローものの"ご当地ソング"ってあまり無いなあと思っていたんですよ。だいたいは、地球とか世界とかグローバルなスタンスじゃないですか。ヒーローだから当然のことなんですけどね。でもサンレッドに関していえば、ヒーローが"溝ノ口"に住んでいて、手の届く範囲しか守っていないんですよね。世界征服をたくらむヴァンプ様と戦っているわけですから、一応世界平和を守っていることにはなるんですけど(笑)。そういったところから、アニソンで"ご当地ソング"をやるのもアリかなって思ったんですよ。プロデューサーさんからも"溝ノ口"という場所をフィーチャーした曲を作ってほしいといわれていましたし」

――それで出来上がったのが「溝ノ口太陽族」ですね

「サンレッドですから、"赤"と"太陽"じゃないですか。そこからいろいろとイメージしてタイトルを考えたのですが、二転三転して、落ち着いたのが『溝ノ口太陽族』でした。ご存知のとおり、"太陽族"というのは石原裕次郎さんのお兄さんの慎太郎さんの小説をもとに、1950年代に流行った言葉なんですよね。50年以上経っている今なら、もう二周くらいしていて、案外古くないんじゃないかなと思って、タイトルに盛り込みました」

――若い人にとってはかえって新しいかもしれませんね

「結局、なぜ石原裕次郎さんかというと、彼は僕の親父やお袋からみるとスターであり、そしてヒーローなんですよ。そこに親和性といいますか、何か通じるものがあるのではないかと。あまり娯楽がなかった時代は、映画館に行って銀幕のスターをみて、カッコいいって憧れるわけじゃないですか。それは、今のチビッ子たちが戦隊ヒーローを見たときに感じる憧憬のようなものと、似通ったものだと思うんですよね。特に男の子のヒーローに対する憧れ、ヒロイズムというものは永遠だと思うので、だったらすごく古くてもまったく問題ないのではないかと思っています」

――一方、第2期の「続・溝ノ口太陽族」は演歌テイストとはまたちがったイメージになっています

「歌詞に関しては、第1期の『溝ノ口太陽族』では"ブルース"と"飛行機雲"と"河川敷"というのが実際に溝ノ口で僕が見た絵なんですけど、『続・溝ノ口太陽族』では、"コードナンバー044"というところからスタートしています。これは川崎の市外局番で、知らない人にはただカッコよく聴こえるだけなんですけど、知っている人はちょっと笑える。そんなところから入っているのですが、第1期が上空5,000メートルから見た絵というイメージなのに対して、今回は上空1,000メートルぐらいの近影で、さらにピンスポットを当てた感じになっていると思います。曲に関しては、前回が2.7、2.8枚目ぐらいだとすると、今回は2.4か2.5、二枚目半ぐらいになっています。せめてオープニングぐらいは、もう少しレッドさんをカッコよく描いてもいいのかなと(笑)」

――第2期の「続・溝ノ口太陽族」を作る際は、第1期の「溝ノ口太陽族」とはまったく違う曲にしようという意識はありましたか?

「そこはみんなが迷うところだと思うんですよ。同じようなことをやるのも一つの手なんですけど、僕も考えに考えを重ねた結果、"ブラッシュアップ"という道を選びました。この言葉が一番しっくりと来ますね。具体的にいうと、僕という人間が作る以上、二枚目のヒーローソングを作ってもあまり意味が無いと思うんですよ。だけど、同じように2.8、2.9枚目の歌を作った場合、歌を歌う僕自身の気持ちが入り込めるのか、そして聴いてくださる皆さんがそれを求めているのか、そういったところを自分なりに熟考した結果、"ブラッシュアップ"という方向性を選びました」

――進化形という感じでしょうか?

「たとえば、イチロー選手や松井選手といった一流のスポーツ選手は、自分がこれまでに作ってきたベストを常に越えていかないといけないわけですよ。つまり彼らは"創造"と"破壊"を毎回繰り返しているわけですよね。そんなに大げさなものではないのですが、やはり僕にしてみればすごく重責なわけですよ。自分が一度作ったものをサラ地にして、さあ次は何を建てるということを考える怖さ。何これって言われるかもしれないじゃないですか。でも同じことをすれば"マンネリ"といわれるかもしれない。そういったところの選定は、結局のところ、青臭いかもしれないですけど、自分を信じるしかないんですよね」

――サンレッドに限らず、さまざまなアニメ楽曲でもご活躍中のmanzoさんですが、今年の夏はアニメロサマーライブにも出演なさいました

「正直に申しますと、真っ暗な中で光っているサイリウムしか見えなかったですね。僕が緊張していたというのもあるのですが(笑)、お顔までははっきりと見えなかったです。ただ、観客の中には、僕ぐらいのけっこういい年をした方もいらっしゃったのですが、皆さん、目が五歳児くらいなんですよね。僕が子どもの頃に戦隊ヒーローを見ていたときとまったく同じような目をしていらっしゃるんですよ。皆さんのアニソンが好きだという純粋な気持ちを一気に吸い込んだ感じで、うれしさというよりも迫力を感じました。MCでも言ったのですが、一国家と同じくらいの人数が会場にいるわけですよ。その迫力、気迫はかなりのものでした。本当に貴重な経験をさせていただいたと思っていますし、ファンの皆さんには感謝しております」

――それでは番組を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

「番組に初めて参加させていただいて、2曲ほど暴れさせていただきました。たまには、こういうおじさんの暑苦しい、中年の心意気を感じてもらって、そんな"アニソン魂"があってもいいんじゃないかと思っていただけたらうれしいですね。ぜひ皆さん、たぎるアニソンおじさんの思いを受け取ってください」

――最後に、manzoさんからレッドさんへのメッセージなどがありましたらよろしくお願いします

「レッドさんには言いたいことがけっこうあるんですよ(笑)。実は『続・溝ノ口太陽族』のカップリングとして収録される曲は、レッドさんを主人公に見立てて書いている曲なんですよ。すごく純情な男の歌になっています。『溝ノ口太陽族』の2番の歌詞で、『手もつなげない』みたいなことを言っているわけですが、僕が原作を読む限り、レッドさんはすごくシャイな人だと思うんです。粗暴なんですけど、寂しがり屋なんですよ、きっと。尻に敷いているつもりで、敷かれていて、威張りたいんだけど、空いばりになる。そして、彼女には頭が上がらない。そんなところが僕とすごくシンクロするんですよね。威張りたいんだけど、全然威張れない……。横でマネージャーがクスクスと笑っていますけど、でも男って、そういうところがある気がするんですよね。だから、レッドさんに一言あるとしたら、本当に純粋に、『今度飲もうか?』って(笑)。話聞くよ、俺もいろいろあるからさって。そんなメッセージですね(笑)」

――ありがとうございました


12月にはワンマンライブの開催も決定しているmanzoが登場する「アニぱら音楽館」は11月17日初回放送の#282となっているので、忘れずにチェックしておきたい。なお、ワンマンライブの詳細については、manzo日記「問わず語りでアイスマン」にて告知されるので、こちらも要注目だ。