28日から30日まで、東京ビッグサイトで企業向けの情報・通信に関する技術の総合イベント「IT pro EXPO 2009」が開催された。会場には、社内システムやセキュリティに関する企業向けの製品やサービスなどが数多く紹介されており、その中に無線通信を利用したものがあったので紹介する。

今回で3回目となるIT pro EXPO。ICTの実験場としてICT技術やソリューションを実際にイベント内で活用する試みを行っている

上りの高速通信を活かしたXGPをアピール

ウィルコムブースでは、XGPを利用したソリューションの提案や利用イメージを紹介。同社が10月1日よりサービスを開始した「WILLCOM CORE XGP」に対応したサン電子製のモバイルVPNルータ「Rooster-G8.0(SC-RS810G)」や、XGPを活用した遠隔会議システムなどをデモンストレーションしていた。

ウィルコムブースではXGPを用いたサービスを提案。ブース内では実際にXGPでの通信を行って紹介している

画像中央がサン電子製のモバイルルータ「Rooster-G8.0(SC-RS810G)」

PC4台とRooster-G8.0(SC-RS810G)を接続し、XGPのデータ通信カード端末(GX001N)で通信している

M@アイ・オー・データ機器製の「XGP Wi-Fi ルータ」は参考出品となっていた

Rooster-G8.0(SC-RS810G)は、NTTドコモやイー・モバイルのHSPAに対応したモバイルルータとして昨年の9月に発売されていた製品だが、今回新たにXGPにも対応した。「XGPに対応し、なおかつ速度を出す(高速通信させる)のに苦労した」(説明員)のだという。11月中にはXGPに対応したRooster-G8.0(SC-RS810G)のファームウェアの提供を開始する予定だという。

XGPを利用したHD高画質遠隔会議システムの展示とデモンストレーション

日立ソフトウェアエンジニアリングの「StarBoard」を利用した手書き入力のデモンストレーション。XGPでの通信を行うことで遠隔地でもデータの共有ができる

このほか、通信回線にXGPを用いた社内用遠隔会議システムの紹介も行われていた。同システムは、高画質な動画と日立ソフトウェアエンジニアリングが開発したインタラクティブホワイトボード「StarBoard」を組み合わせ、入力したデータもXGPで送受信し遠隔地との会議ができるというもの。

StarBoardは日立ソフトウェアエンジニアリングの出展ブースにも展示されている。こちらは、遠隔地との会議システムとしてTV電話と組み合わせた利用をイメージしたデモを行っている。中央のプラズマタイプのStarBoard に手書きで入力したデータがリアルタイムに両サイドのタブレット・タイプにも表示される。