Oracle OpenWorld (OOW) 2009の千秋楽1日前にあたる10月14日(米国時間)、米Oracle CEOのLarry Ellison氏によるキーノートが開催された。過去3年はビッグサプライズが立て続けに発表されたが、今年は何が飛び出すのだろうか?

米Oracle CEOのLarry Ellison氏。今回のサプライズは?

Ellison氏が日曜日のキーノートで公約した通り、まず最初はExadata Version 2に関するフォローアップが行われた。だが本稿では先に新サポートサービス、そして長らく同社がリリースをほのめかしていた「Fusion Applications」について紹介していこう。

ビジネスアプリケーション市場において、サポートは1つの大きな鍵だ。アプリケーションサポートを業務として提供するTomorrowNowを買収したSAPを、Oracleが訴訟なども含めてたびたび攻撃していたことからもわかるだろう。今回の発表では、Oracleのサービスメニューの1つであるMy Oracle Supportが、Enterprise Managerの将来バージョンで統合され、My Oracle SupportのナレッジなどがそのままEnterprise Managerを通して利用できるようになっている。

My Oracle SupportとEnterprise Managerの融合。ナレッジベースの共有が可能なほか、パッチの自動検証や発生する可能性を事前に察知した対策が行える

そのメリットとしては、ナレッジベースの活用でトラブルの迅速な解決が可能なこと、自動診断によりコンフィギュレーションに合わせたシステム診断や適切なパッチの推奨などが行われることなどが挙げられる。またパッチの検証や統合なども自動的に行われ、管理者の手間を低減できるメリットもある。サポート体制を統合し、個々の環境にパーソナライズされた形で、"プロアクティブ"に未然にトラブルを防ぐ形でフォローしていくというのがその狙いだ。

Enterprise Managerからパッチ自動検証ツールを利用している様子

新サポート機能のまとめ。パッチ管理がより容易になり、ナレッジベースが強化されている