viでは、メニューバーの代わりにコマンドを実行することで、さまざまな機能を利用する。コマンドを実行するときには、コマンドモード時に[:]キーを押し、続けてコマンド名を入力したあと[enter]キーを押せば実行できる。手始めに「:help」を実行し、ヘルプファイルを表示してみよう。

しかし、Snow Leopardに収録されたvim 7.2には、英語のヘルプファイルしか収録されていない。ただでさえ親しみやすいとはいえないUIだけに、日本語ヘルプがあれば大いに力となるはず。まずは「KaoriYa.net」の「Vim日本語ドキュメント」ページから、有志ユーザが作成した日本語ヘルプを入手し、インストールしてみよう。ダウンロードした「vimdoc_ja-snapshot.tar.bz2」がダウンロードフォルダにあるときの作業方法は、以下に示すとおりだ。

$ cd ~/Downloads
$ tar xjf vimdoc_ja-snapshot.tar.bz2
$ cd runtime
$ mkdir -p ~/.vim/doc     (すでに存在する場合は、実行する必要はない)
$ mkdir -p ~/.vim/syntax  (すでに存在する場合は、実行する必要はない)
$ cp doc/*.jax ~/.vim/doc/
$ cp syntax/help_ja.vim ~/.vim/syntax/

作業完了後、viを起動し、以下のとおり(コマンドモード時に) helptagsコマンドを実行すること。これで、先ほどコピーした日本語ヘルプにタグが設定され、「:help」とすれば日本語ヘルプが表示されるようになるはずだ。

:helptags $HOME/.vim/doc

日本語ヘルプを表示したところ。これでviへの苦手意識は薄らぐかも?

さらに「~/.vimrc

viでは「set」コマンドを利用し、オプションを設定する。しかし、常に有効化しておきたいオプションは、起動後に手動で実行するより、前掲の「~/.vimrc」に記述しておくことが定石だ。以下に挙げるオプションは、なかでも利用価値の高いものなので、参考にしていただきたい。

■表:主なオプション
オプション 説明
set autoindent 新しい行のインデントを現在行と同じにする
set backupdir=$HOME/vimbkup バックアップファイルを~/vimbkupに作成する
set expandtab タブの代わりに空白文字を挿入する
set hlsearch 検索結果をハイライト表示する
set ignorecase 大文字/小文字を区別しない
set incsearch インクリメンタルサーチを行う
set list 不可視文字を表示する(ex. $=行末^I=TAB)
set nocompatible vi互換モードにしない(デフォルト)
set nowrapscan 検索時ファイル末尾に到達しても先頭へ戻らない
set number 行番号を表示する
set showmatch 同じカッコが入力されたとき対応するカッコを表示する
set shiftwidth=4 自動インデントの各段階で使用されるスペースの長さを決める
set smartcase 検索語が大文字を含む場合大文字/小文字を区別する
set smartindent 新規行作成時に高度な自動インデントを行う
set tabstop=4 文中のTABが対応する空白の数を指定する
set wildmenu コマンド入力補完機能を強化する
set syntax=ON シンタックスハイライトを有効化する(「syntax on」も可)