【レビュー】

マイクロフォーサーズ入門(1) - 最新機種比較でみる、メリットとデメリット

    小山安博  [2009/10/09]

    小型軽量のレンズ交換式カメラ「マイクロフォーサーズ」機のラインナップが充実してきている。オリンパスから7月に同社マイクロフォーサーズ初号機「OLYMPUS PEN E-P1」が、パナソニックからは9月に第3弾「LUMIX DMC-GF1」が発売され、目にする機会も増えた。これまでの「デジタル一眼レフカメラ」とは一線を画すマイクロフォーサーズ機とはなんだろうか。マイクロフォーサーズ機ユーザーの筆者が、最新機種を徹底比較する。

    マイクロフォーサーズ最新モデル。パナソニック「LUMIX DMC-GF1」(左)とオリンパス「OLYMPUS PEN E-P1」

    マイクロフォーサーズって何?

    マイクロフォーサーズとは、オリンパスとパナソニックが共同で推進するカメラ規格だ。一般的なデジタル一眼レフカメラは、レンズから入ってきた光を鏡(ミラー)で反射させ、光学ファインダーでレンズを通した光景を見て写真を撮る。この鏡で反射させるレフレックスという構造がないのがマイクロフォーサーズだ。そのため、マイクロフォーサーズ機は「一眼"レフ"カメラ」ではなく、オリンパスでは「マイクロ一眼」と呼んでいるし、パナソニックも「デジタル一眼」と呼んでいる。

    ミラーレスによって一眼レフと同じ構造にする必要がなく、その分の部材が排除できるなどの理由で、マイクロフォーサーズ機はボディの小型化とデザインの自由度を獲得。従来のデジタル一眼レフカメラらしくないデザインが実現できるというのが特徴だ。

    コンパクト化以外にもメリットはある。レンズから入った光をミラーで反射させず、そのまま撮像素子に光が届くので、それを背面液晶に映し出すことができる。これはコンパクトデジカメと同じ手法であり、コンパクトデジカメのようにファインダーをのぞかずに背面液晶を見ながら撮影するライブビュー撮影ができるわけだ。

    正面から見たところ。ちょっと大きめのコンパクトデジカメといった風情

    既存のデジタル一眼レフでも液晶を見ながら撮影できるモデルもあるが、一部を除くとライブビュー撮影のためにレンズと撮像素子の間にあるミラーをいったん持ち上げる必要があり、常時利用するようなものではなかった。マイクロフォーサーズにはそもそもミラーがないので常に液晶を見ながら撮影するスタイルになる。

    こちらは背面から。撮影時は液晶を見ながら撮影するため、ファインダーがない

    逆に言うと、この点がデメリットであるとも言える。デジタル一眼レフのメリットの一つは高速で高精度なAFだが、これは位相差AFという方式を使っており、ミラーが必要だ。そのため、マイクロフォーサーズ機ではコントラストAFという方式を使う。これもコンパクトデジカメと同じやり方で、撮像素子が被写体の明暗差を見てピント位置を決めるというもの。位相差AFに比べると精度と速度で劣るのが弱点で、マイクロフォーサーズ機ではそれを回避するための工夫も盛り込んでいる。

    「DMC-GF1」。よりコンパクトデジカメっぽいデザイン。レンズ交換ができなければ「ちょっと大きなコンパクトデジカメ」といった印象

    「OLYMPUS PEN E-P1」は、デザイン的には古いフィルムカメラ風。軽量・コンパクト化が特徴だ

    さて、そんなマイクロフォーサーズの最大のメリットは先にも述べた小型・軽量化が可能という点だ。第1号機となったのはパナソニックから2008年10月に発売された「LUMIX DMC-G1」で、それを動画対応させた第2号機「LUMIX DMC-GH1」が2009年4月に発売された。両モデルともコンパクトだったが、ボディデザインは従来のデジタル一眼レフ風のもの。

    そのながれを大きく変えたのがオリンパスのOLYMPUS PEN E-P1の登場だ。コンパクトデジカメにも匹敵する小型・軽量ボディ、デザインもコンパクトデジカメ風(というか古い銀塩カメラ風)という斬新なスタイルが魅力だ。続いてパナソニックも、同様のコンパクトサイズのLUMIX DMC-GF1を投入し、小型軽量ラインナップが出そろったことになる。

    本格的なマニュアル撮影が可能なので、ボタンやダイヤルも豊富。慣れればコンパクトデジカメよりも本格的な撮影が簡単にできる

    デジタル一眼レフのようにレンズ交換によって撮影の幅が広がり、コンパクトデジカメのように持ち歩き、撮影できるというマイクロフォーサーズ機は、もっと気軽に本格的な撮影をしたい人に最適なのだ。1号機、2号機のDMC-G1/GH1もそれぞれ特徴的だし、特にDMC-GH1はマイクロフォーサーズ機では唯一のフルHD動画が撮影できるモデルだが、今回は最新モデルでマイクロフォーサーズの特長を生かしたE-P1とDMC-GF1を使い比べてみよう。

    本体上部。初心者向けのオートモード「iAUTO」(左)、「iA」というモードもあるが、慣れてきたらぜひP/A/S/Mのマニュアル撮影を使いたい

    基本的なスペックは以下の表のとおり。実際の撮影画像・使用感などは次回へ譲る。

    主なスペック
    機種 E-P1 DMC-GF1
    メーカー オリンパス パナソニック
    撮像素子 有効1,230万画素 有効1,210万画素
    ISO感度 ISO200-6400 ISO100-3200
    連写 3コマ/秒
    シャッター 60-1/4,000秒
    フラッシュ - 内蔵
    手ブレ補正 ボディ内 -
    液晶 3型23万ドット 3型46万ドット
    ファインダー - 外付けEVF
    撮影可能枚数 300枚 380枚
    大きさ(W×H×D) 120.5×70×35mm 119×71×36.3mm
    重さ 335g 285g

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