【レポート】
第41回東京モーターショーは、10月24日(土曜)から11月4日(水曜)までの12日間の開催。海外メーカーのほとんどが参加を見合わせる異例の東京モーターショーとなったが、国産メーカーのブースは充実。前回以上に見ごたえがあるのは確実なので、ぜひとも東京モーターショーを見に行っていただきたい。
ホンダの出展内容が明らかになったのでお伝えしよう。今回のホンダブースのテーマは"Hello!"。Helloは、Honda Electric Loopを意味している。電動化モビリティを一段と推進して、低炭素社会の実現を表現するものだ。二輪と四輪のEVモデルを多数登場させるとともに、携帯端末のLOOPを使ったEVとITによるモビリティの世界を具現化。
その具現化の代表車が、来年2月の発売を予定しているCR-Zコンセプト2009。約4カ月後発売になる車種だけに、ショーでは大注目となるはずだ。基本デザインは従来のコンセプトカーと大きく変わらないが、今回のモデルは市販車とほぼ同じと思ってかまわない。ライト関係や細部の処理、タイヤサイズなどはショー用のドレスアップに違いないが、来年2月にはこのスポーティなハイブリッドスポーツのステアリングを握ることができる。ちなみに車名だが、歴代のCR-Xにならって従来CR-Zをシーアールゼットと呼んでいたが、正式な呼称が判明した。シーアールは変わらないが、ゼットではなく、新型はズィーと呼ぶことになる。「シーアールズィー」が正式呼称だ。
ベースは言うまでもなくハイブリッドカーのインサイトだが、CR-Zはより高い次元の走りを実現するため1.3Lから1.5Lエンジンに格上げされている。パワースペックは発表されていないが、かなり動力性能が向上しているはずだ。さらにモーターアシストであるホンダIMAも制御が変更されている可能性が高い。スポーティな走りを演出するため、アクセルの踏みこみに応じて積極的にモーターアシストさせているはずだ。また、スポーツカーファンにはたまらないメカニズムが新採用される。それは6速MT。初代インサイトには5速MTがあったが、CR-Zはハイブリッドカー初の6速MTを採用している。ホンダでは6速MTを組み合わせることで、今までにない新感覚のドライブフィールをもたらすと説明している。
走りを予感させるのは6速MTだけではない。装着タイヤを見てほしい。転がり抵抗低減を狙ったエコタイヤではない。プレミアムスポーティカーなど多くのクルマに装着されている、ブリヂストンのポテンザRE050Aを装着しているのだ。225/40R18サイズを装着していたが、これはショーカーだからだろう。ワンサイズインチダウンした215/50R17あたりで、量産仕様として登場するのではないだろうか。
CR-Zコンセプト2009を今までのコンセプトカーと比較すると、いくつかの違いが見えてくる。まずリヤアンダーとエキゾーストパイプのデザイン。今まではリヤセンターにエキパイを見せるデザインにしていたが、今回はエキパイの存在を隠している。これはEVにつながるハイブリッドカーであることを強調するためで、市販車もエキパイを見せないようにしているはずだ。ショー会場でチェックしてほしいのはフロントガラスやサイドガラスのレタリング。市販車と同様のガラスの安全規格の表示がプリントされている。このことからもわかるように、市販車とほぼ同じデザインで東京モーターショーにCR-Zは姿を現す。すでにCR-Zを予約注文したという話も聞こえてきたから、ショーで実車をチェックし、納得したらディーラーにゴーだ。プリウス以上の納車待ちの人気車になる可能性が高いから、購入を考えている人は一刻も早く購入者リストに名前を載せる必要がある。
デザインを見れば50代以上の方は懐かしく、それ以下の年代の方はかわいらしいと思うはずだ。ネーミングの最後にNが付くことからもわかるように、N360をモチーフにしたシティコミューターのEV。ホンダはハイブリッドカーでトヨタとともに先行しているが、少し前まではEVの開発に熱心だった。燃料電池車のFCXやハイブリッドカーの開発に注力していたためEVが忘れ去られていたが、どうやらこのコンセプトカーのEVの本気度は高いようだ。ホンダはEVプラスをリース販売した実績があり、ショーへの展示はEV-Nが近い将来登場することの予告ともとれる。バッテリーの性能が格段に向上したことで、こうしたシティコミューターの実現性は高い。
デザインはN360世代を狙ったわけではない。若い世代はこうしたゆるい感じをクールでかっこいいと感じるから、モチーフに選んだわけだ。全長は軽自動車の規格よりも短い2860mm。ライフの3395mmよりグッと短く、ホイールベースもライフが2420mmなのに対しEV-Nは1995mmと2mを切っている。全幅は軽自動車規格いっぱいの1475mm。EV-Nは軽自動車の中でもコンパクトなサイズだ。
小さなボディだが2シーターではなく、実用性の高い4シーター。さすがに4ドアではなく2ドアだが、薄型シートを採用するなどして、なんとか4人が座れる空間を実現している。EV-Nの新しい機能がコミュニケーション機能。EVのためフロントに冷却用のグリルはなく、そこに大型のディスプレイをレイアウト。このディスプレイを介してドライバーとクルマ、クルマと歩行者のコミュニケーションがとれるように工夫されているのだ。フロントグリルのディスプレイにはランプが点灯し、この点灯パターンでどのような状態かが相手に伝えるわけだ。ドアミラーやリヤゲートにも同様の工夫がある。これはLOOPという通信端末を使い、歩行者にクルマ側の意思を伝えることも可能。最近はEVなどの走行騒音が小さいことが、歩行者の安全を脅かすと言われているが、こうしたITを使えば、EVからわざわざ音を出す機構を付けなくても解決可能だ。このLOOPが実現できれば、いろいろな場面で使えるはず。LOOPはクルマではないが、今後のモビリティに深く関係する技術に発展する可能性を秘めているといえるだろう。
6人乗りのマルチパーパース・ハイブリッドカーというコンセプトカーだ。なんとフロントドアがガルウイングでリヤドアが斜めオープンスライドドアという凝ったメカを採用している。このことからもわかるようにスカイデッキはコンセプトカーの中のコンセプトカーだが、そのデザインテイストは次期オデッセイか新型ミニバンに引き継がれる可能性が高い。
フロントグリルはCR-Zと同様に次世代の共通デザイン。低床・低重心というパッケージも現在のオデッセイと共通している。違うのはハイブリッドシステムの採用だ。すでにミニバンではエスティマハイブリッドが存在しているが、車両価格はそのほかのグレードとて比べて高い。ホンダはインサイトでも実現したように、IMAのコストダウンを進めている。ミニバンに低価格のハイブリッドカーが登場すれば、インサイトのような人気車になることは間違いない。すでにインサイトはハイブリッドシステムのコストアップ分が20万円というから、このクラスにIMAでも30万円アップくらいで可能かもしれない。だが、ホンダの説明資料にはIMAとは一言も書かれていないのが気になる。スカイデッキ=次期オデッセイは新システムのフルハイブリッドカーに発展する可能性も秘めている。
スカイデッキのガルウイングドアや片持ち式電動スライドシートの実現性は低いが、フロントからルーフまでつながるガラスルーフや特徴的なリヤコンビランプのデザインなどは将来の市販車に採用される可能性が高い。次期オデッセイはCR-Zと同様のグリルデザインとフロントと一体式ガラスルーフ、ハイブリッドシステムを採用すると予想できる。
ホンダといえばやはり二輪車。創業時から製品で、昨今の四輪事業の苦戦を支えてくれているのが二輪車だ。東京モーターショーには魅力的な二輪車も登場するのでアウトラインをお伝えしておこう。二輪も電動化がキーワード。なんとEV-Cab(カブ)が登場する。前後輪にインホイールモーターを配置した二輪駆動のシステムを採用。基本デザインは現在のカブを踏襲しているが、シート下のガソリンタンクは必要ないため、ここに専用ヘルメットを収納できるようにしている。造りを見るとまだコンセプトの域を脱しないが、将来具現化される可能性が極めて高い一台だ。
もう一台のEVがEVE-neo(ネオ)。ビジネスユースを狙った電動スクーターで、こちらはかなり造り込みがされている。車体はもちろん、荷物を載せるラックなども生産車と変わらないレベル。専用充電器も用意されていることを考えると市販間近なモデルだ。ホンダも以前電動スクーターを販売したことがあったが、このEVE-neoは電動スクーターの本格量産モデルになるはず。郵便事業は電動バイクの投入を考えているため、このモデルが納入される可能性もある。
大型バイクはCB1100がワールドプレミア。もちろん市販予定車で、あえて空冷4気筒エンジンを採用している。なんとコンセプトの1つが「磨く喜び」だという。走行性能も伝統のCBだから高い次元で成立させているだろうが、磨くことが魅力になるとは……。これはCB1100のメインユーザーが大人だからだという。走ることはもちろんだが、休日でも愛車を磨いて楽しみたいというニーズに応えたという。同様に磨くことが楽しそうなバイクが市販予定のVT1300CR。市販車のVT1300CXの発展形のレトロ・カスタムがVT1300CR。風景が映り込むほど磨きあげられたヘッドライトとマフラーは美しいの一言。磨けば磨くほど愛着が増すバイクだ。この他にも国内初登場のVFR1200Fや市販間近のグローバルスクーターPCXなどが展示される。
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