外観のデザインにフィットしたグラフィック

コンセプチュアルな端末だけあって、内蔵コンテンツにもPLYの思想はしっかりと貫かれている。待受け画面はもちろん、メニューや着信音、動作音などにまで専用のコンテンツを用意。メニューにはiidaアイコンが置かれ、ダイレクトに専用サイトへアクセスできる仕様となっている。PLYは「グローバルパスポート CDMA」に対応しており、一部の国や地域で国際ローミングが可能だが、その際に役立つ「世界時計」もこの端末オリジナルだ。

内蔵のグラフィックデータも、PLYの世界観を踏襲している

メニューからダイレクトに特設サイトへアクセスできる

とはいえ、PLYもほかのau端末同様、共通プラットフォームの「KCP+」を採用している。「EZケータイアレンジ」で変更できない2階層目以下は、ほかのモデルと同じなので注意が必要だ。メニューアイコンなどに独自フォントを用いていることもあり、1階層目と2階層目以下の統一感が薄れてしまっている。サブメニューの書体やデザインも同じで、やや端末の雰囲気にそぐわない。もちろん、プラットフォーム上の制約ゆえに、仕方がないことだとは理解している。しかし、KDDIがiidaのラインナップを本気で拡充していくつもりなら、そろそろこうしたプラットフォームの"細部"にも手を入れるべきだろう。世界観という意味では、「じぶん銀行」や「EZ○○」のサービスをプリインストールするのも、再考の必要があるのかもしれない。

「KCP+」のため、第2階層以下のデザインは従来端末同様

独特なタブキーの使い勝手や操作感をチェック

次に、PLYに特徴的な"閉じたときの操作性"を見ていこう。側面のタブは単なる飾りではなく、実際にキーとして使うことができる。一番上のタブには閉じたときのキー操作ロックが、中央には上下移動(長押しで「Book Player」とカメラになる)が、一番下にはメニューとクリア(長押しで「クイックアクセスメニュー」とマナーモード設定になる)が割り当てられている。このうち、Book Playerのみ、あらかじめ用意された機能に変更することが可能。変更候補は、「電子辞書」「TV」「LISMO Player」「EZチャンネルプラス」の4つだ。このタブキーのお陰で、PLYは閉じたままでも操作できる。テンキーがないため文字は打てないが、メールをチェックしたり、音楽を聞いたり、電子ブックを読んだりと、できることは多彩だ。

手帳のタブのような温かみのあるデザインだが、実用性も兼ね備える

タブキーは向かって右側に集中しており、右手で持って親指で操作する形となる。最初は戸惑うかもしれないが、慣れればそれほど違和感なく扱えるはずだ。タブがあるため、通常のケータイと比べ、スペック上、横幅が2~3mm長くなっているが持ちづらいということもない。サッとデータを確認するビューアー用のキーとしては、十分だろう。ただ、上下移動のみで、サブメニューを開けない点は気になった。

Book Playerの代わりに、各種機能を割り当てることが可能

デフォルトのメニューは「3×4」になっており、横に移動できないのはあまり直感的とはいえない。効率的には全く同じなのだが、使い勝手や分かりやすさを重視するのであれば、縦一列のメニューをデフォルトにしてほしかった。また、画面を閉じたまま操作していると、どうしても"タッチ"の衝動に駆られる。タブにはソフトキーの役割を果たすものがないため、音楽やカメラなどの設定を、閉じたまま変えることができないからだ。タッチがあれば、PCサイトビューアーも直感的に操作できたかもしれない。タブキーとの組み合わせなら、フルタッチより使い勝手がよさそうなだけに、ぜひ将来の端末では実現してほしい。