iPhone/iPod touchから見たゲームの未来 - TGS2009

林氏が挙げた2つ目の注目点は、iPhone/iPod touchの基本スペックの高さ。スペースシャトルを打ち上げるゲームでは、自由自在にさまざまな角度から見ることができる。このような基本スペックの高さは、ユーザーだけでなく、制作メーカーにもとっても魅力となっている。ここからは実際にiPhone/iPod touch向けにゲームを制作しているメーカーが、自社で作成しているゲームを紹介した。

バンダイナムコゲームス

最初はバンダイナムコゲームス エースコンバットシリーズディレクター 加藤正規氏。エースコンバットの新作「ACE COMBAT Xi Skies of Incursion(仮)」(エースコンバット エックスアイ スカイズ・オブ・インカージョン)をiPhone/iPod touch向けに開発している。最初に、iPhone/iPod touchで遊ぶのに最も適したゲームを作ろうと企画。生活シーンの中でいつも身に着けているので、ちょっとした休憩時間や空いた時間にプレイできるように、すぐに空中戦の興奮が味わえるよう心がけた。そのため、敵の配置、出現数などがiPhone/iPod touch向けに考えている。本体を傾けて飛行機を操作できることもあり、短時間で没入感を得られるという。さらに、テクスチャー数や色がiPhone/iPod touchできれいに見えるように調整。またここでは、ゲーム画面以外に音声も再生。ミュージックプレイヤーとして登場したiPhone/iPod touchでは、再生環境さえ整えば、迫力ある音声が表現できるとした。

カプコン

カプコン 開発統括本部 MC開発部長 手塚武氏は、ゲーム機としての特徴を紹介した。その内容は「多彩なUI(特にマルチタッチ)」「モバイルネットワーク」「完全なデジタル配信」の3点。しかし、「モバイルネットワーク」と「完全なデジタル配信」は携帯電話でも行われているため、ゲーム開発者から見ると最大の特徴は「マルチタッチ」となる。ハードウェアキーがない分、どうやって遊ばせるかが考えるポイントとなっている。

iPhone/iPod touchでは、画面上に十字キーを表示して操作させるゲームが多い。でもゲーム会社によって仕様は異なる。さらに人は相対値で操作するのは慣れているけど、絶対値で操作するのは難しい。十字キーを表示させても、そのポイントを常に正しく押すことは難しいとした。そこで、カプコンはゲーム画面全体をパッドとみなして操作させる方法を作り上げた。iPhone/iPod touch版「バイオハザード 4」の無料体験版でも試せるので、ぜひ遊んでみてほしいとのことだ。簡単に操作方法が変えられるのもiPhone/iPod touchの魅力のひとつとした。さらに、キャンペーン期間を設定して半額で提供した。このように、簡単に価格が変えられることも、パッケージメディアではないiPhone/iPod touch向けゲームならではの特徴と解説した。