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Mac OS Xユーザ向けテキストエディタレポートの第4回は、「iText Express」をお届けする。NSTextViewを利用した"Mac OS Xらしい"機能の一方で、縦書き編集や脚注表示などの独自機能も用意されるなど、魅力あるテキストエディタだ。

「iText Express」の特徴

iText Expressは、山下道明氏が開発した、Mac OS X 10.3/Panther以降に対応するフリーなテキストエディタ。縦書き表示など日本語環境ならではの使い方に対応しているうえ、バージョンアップの頻度が高い一方で旧Mac OS対応を継続するなど手厚いサポートがあり、多くのユーザから支持されている。

同じ作者により開発されたテキストエディタ「iText」は、Mac版とWindows版の2種が用意され、ほぼ同等の機能を実現している。こちらのMac版は旧Mac OS(漢字Talk 7.1~Mac OS 9.2.2)もサポート、Carbon APIを使用するなどiText Expressとは基本設計の部分で差異がある。

ヒラギノの20,000字超という字数をサポートする

iText Expressの特徴は、Cocoaを採用したがゆえの基本機能の充実にある。文字コードはUnicodeに対応、20,000字を超えるOpenTypeヒラギノ書体を扱えるうえ、リッチテキスト(RTF/RTFD)やMicrosoft Wordのファイル形式をサポートしている。スピーチシンセサイザと英文のスペルチェックにも対応。Cocoa(のうちのAppKit)が提供するテキストエンジン「NSTextView」を使用していることから、機能的には「テキストエディット(TextEdit.app)+α」と考えて差し支えない。もちろん、"Emacsライクなキーバインド"(【コラム】OS X ハッキング! 第103回「Cocoaアプリのキーバインドにこだわる(1)」)も利用できる。

ポイントはこの「+α」の部分で、大きく2つに分類できる。1つは、同じ作者が開発したLightway Text/iText譲りの機能。青空文庫のビューアとして利用できることや、縦書き表示/編集、脚注/文末注の設定は、その筆頭格だろう。

そしてもう1つは、Cocoaならではの拡張が可能なこと。正規表現ライブラリ「Oniguruma」をMac OS Xで使いやすいようフレームワーク化した「OgreKit」(ほぼ(修正)BSDライセンス)の機能が、iText Expressネイティブの検索機能として利用できるのだ。

青空文庫ビューアとしても利用できる。ルビの表示をサポートしているところがポイント