AMDから、「Athlon II X4 630」(2.8GHz)および「同620」(2.6GHz)が発表された。開発コードネーム「Propus」として知られた製品であり、Phenom II X4がハイエンド向けであるのに対し、Athlon II X4はメインストリーム向けのクアッドコアCPUという位置付けがされている。その性能を試してみたい。

Phenom II X4 Athlon II X4
製造プロセス 45nm 45nm
コア数 4 4
メモリサポート DDR3/DDR2 DDR3/DDR2
L1キャッシュ (64KB+64KB)×コア (64KB+64KB)×コア
L2キャッシュ 512KB×コア 512KB×コア
L3キャッシュ 6MB
HT-Link 4GHz 4GHz
ダイサイズ 258平方mm 169平方mm
トランジスタ数 7億5,800万個 3億個
Max.Temp 62℃ 71℃
TDP 95W-140W 95W
コア電圧 0.875-1.5V 0.925-1.425V

Phenom II X4とAthlon II X4との大きな違いは、L3キャッシュの有無である。スペックを見てみると、L1およびL2キャッシュの容量はPhenom II X4と同等。L3キャッシュが無いぶんだけ、ダイサイズおよびトランジスタ数が大きく減少していることがわかる。TDPが95Wというのは、Phenom II X4 945の95Wと比較して高いように感じられるが、AMDのTDPクラスは95Wの下が65Wとなっており、おそらくは、65Wまでは届かなかったため95W表記とした、といったところだろう。スペックからすれば、Phenom II X4と比べて大幅に消費電力を削減できていておかしくはない。

L3キャッシュを省いたのがPropusの特徴

さて、今回はAthlon II X4 630および620を入手し、このCPUの性格を測るためにPhenom II X4を2.8GHzおよび2.6GHzにダウンクロックしたものと比較してみようと思う。クロックを合わせることで、L3キャッシュの有無による性能面、電力面での差がはっきりすると思われる。

Athlon II X4 630のOPNはADX630WFK42GI

マザーボードにはASUSTeKのAMD 785Gマザーボード「M4A785TD-M EVO」を用意した。メモリはDDR3-1333 2GB×2枚。その他の使用機材は下記の表を参考にしていただきたい。

AMD 785Gを搭載したAM3プラットフォーム向けマイクロATXマザーボード「M4A785TD-M EVO」

■テスト構成
CPU Phenom II X4@2.8GHz Athlon II X4 630 Phenom II X4@2.6GHz Athlon II X4 620
Motherboard ASUSTeK M4A785TD-M EVO
Chipset AMD 785G+SB710
Memory DDR3-1333 4GB(2GB×2)
Graphics ATI Radeon HD 4200
HDD WD5000AAKS(500GB/7200rpm/16MB)
OS Windows Vista Ultimete SP2 32bit(英語版)