『ウルヴァリン:X-MEN ZERO」は、『X-MEN』シリーズ3部作の序章にあたる作品だ。シリーズ作品『X-メン』('00)、『X-MEN2』('03)、『M-MEN:ファイナル・ディシジョン』('06)はいずれも全世界で大ヒットをとばしている。

ウルヴァリンは、シリーズの中心的キャラクターであり、今や大スターとなったヒュー・ジャックマンがブレイクした役としても知られる。ウルヴァリンは鋼鉄よりも硬い爪と驚異的な回復力を持つ強力なパワーの持ち主だが、過去の記憶を失っており、自分が誰なのか、なぜこのような能力を持っているのか、何も思い出せずに長い間苦しみ続けていた。シリーズ最大の謎とされていた彼の過去が、本作でついに明かされる。

だが、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』はタイトル通り、シリーズの「エピソード0」にあたるストーリーだ。前作を知らなくとも、誰もがここから入って楽しめる作品になっている。

もちろん、前シリーズを見た人はシリーズ中のストーリーの前エピソードを発見できるだろう。本作を見た後、DVDでシリーズを見直しても新しい発見がたくさんあるはずだ。ここでは、いろんな楽しみ方ができる『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』を、よりさまざまな角度から観るためのガイドをお送りしていこう。

知らなくてもOK! でも知っていると便利な基礎知識

1.ウルヴァリンとはどんなキャラクター?

彼はカナダ生まれ。本名はジミーで、大人になってからはローガンと名乗っている。「ウルヴァリン」は通称だが、なぜ彼がそう呼ばれるようになったのかは、本作で初めて明らかになる。

手から飛び出る鋭い爪と、どんなケガもすぐに治ってしまうという驚異の回復能力を持つ。そのために肉体が歳をとる速度が非常にスローであり、外見だけでは何歳かわからなかった。彼がどれほど長い時間を生きてきたのか、本作で明らかにされる。

ウルヴァリンは生まれてからの長い時間をあらゆる戦場で過ごす。南北戦争、2つの世界大戦、そしてベトナムまで

2.そもそも「X-MEN」とは?

本作は、「X-MEN」が結成される前のストーリーであり、その名はまだ出てこない。だが、基礎知識として解説しておこう。

「X-MEN」とは遺伝子の突然変異によって生まれたミュータントのチームだ。普通の人々の恐れや偏見を取り除き、平和的共存をめざして活動している。ミュータントの中には、新人類である自分たちが人類を滅ぼすべきだと考える者もいる。そうした悪のミュータントから人類を守るため戦うのも「X-MEN」の使命だ。「X-MEN」の指導者であるプロフェッサーXは、ミュータントの子どもたちのために、能力の受け入れ方とコントロール方法を教える「恵まれし子らの学園」という私学校を設立している。メンバーの多くはこの学校の卒業者たちだ。

3.『X-MEN』シリーズ3部作はどんなストーリーだった?

『X-MEN』シリーズは、主人公ウルヴァリンの自分探しが大きな軸となっている。ウルヴァリンは記憶を喪失した状態で登場し、自分が誰かを探し求めるが、やがて「X-MEN」の中に新しい自分の居場所を見つけていく、というストーリーが3部作を通じて展開されるのだ。

未見の人は、ぜひ本作と併せて『X-MEN』シリーズをDVDで楽しんでほしい。よりじっくり楽しみたい人は、予習として先に観ておくのもアリだ。

4.『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』と、『X-MEN』シリーズ3部作は、どれくらい離れた時期の話?

本作のストーリーはウルヴァリンの幼少時代から始まり、最後に記憶を失うまでが描かれる。『X-メン』から始まる『X-MEN』シリーズは、本作のラストから約15年後のストーリーという設定だ。本作にはシリーズと共通する登場人物も数人出てくるが、みな15年分若い姿で登場していることになる。

ウルヴァリンの恋人、ケイラ。彼女の側でようやく安住の地を見つけたウルヴァリンだが…

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