「大好きだ、カシオ!」 
ライブの終盤、ステージから高らかに叫んだカニエ・ウェストに、満場のオーディエンスは熱烈な歓声で応えてみせた。

8月5日、ニューヨークにやって来たカシオ主催G-SHOCKワールドツアー「Shock the world tour 2009」での一コマだ。

"FiDi"ことファイナンシャル・ディストリクト(金融街)にG-SHOCKのバナーが

昨年NYで開催され、大成功を収めたG-SHOCK25周年イベントは、アメリカにおけるG-SHOCKの認知度や人気を爆発的に拡大させる起爆剤となった。この日のイベントも去年同様、G-SHOCKとカシオの特長や魅力を伝えるカンファレンス、続いてパーティーという二部構成。ニューヨークを揺るがせたG-SHOCKの一夜は、アメリカを代表するヒップ・ホップアーティスト、カニエ・ウェストの熱いパフォーマンスで、この夏最高のクライマックスへとなだれ込んだ。

ウォール街の真ん中で

会場となったレストラン/イベントホールのシプリアーニは世界経済の中枢、ウォール街にある。かのニューヨーク証券取引所も目と鼻の先だ。

ファッションやカルチャーのアイコン的存在でもあるG-SHOCKのイベントを経済のメッカで? と驚くかもしれないが現在のウォール街にはもうひとつ、ファッショナブルなトレンド発信地としての顔がある。

会場のシプリアーニ。上階はロバート・デ・ニーロの息子が経営する高級コンドミニアム

五番街の老舗ブランドが続々出店し、有名デザイナーによる高級コンドミニアムや一流レストラン、ホテルが急増する最新流行エリアなのだ。そんなウォール街のど真ん中に出現した、G-SHOCK「Shock the World 2009」の巨大なバナー。

チェックインするゲストたち。すでにこんなに行列が

そして、赤いヴェルヴェット・ロープの向こうへと……

ニューヨーク特有の遅い夕暮れの中、フラッシュの洪水を浴びながら、セレブリティたちがレッドカーペットの向こうへと消えていく。

マウント・ラシュモア風G-SHOCKがデーンとお出迎え

神殿の柱風オブジェは、今夜のため特別に制作された

シプリアーニのクラシカルなエントランスに一歩足を踏み入れると、出迎えてくれるのはマウント・ラシュモアの写真……
アレ? これってG-SHOCKだ!

山肌に大統領たちの顔が彫ってあるホンモノのマウント・ラシュモアに対し、こちらはG-SHOCKが山に刻まれているのがなんとも痛快。G-SHOCKのタフネスさをゴツい岩肌が体現しているようで、なるほど絶妙のマッチングだ。

ギリシャ復古調の建物に溶けこむ神殿風の円柱も、よく見れば巨大なG-SHOCKのオブジェだったりするなど、細かな仕掛けが場内のあちこちに。G-SHOCKのさまざまなモデルやビジュアルを目の当たりにし、スタッフに質問するなどしていく内に、G-SHOCKの歴史や性能、優れたデザインに込められた深い意図が、実感としてつかめる工夫がなされている。……次ページへ。<G-SHOCK流のタフネス・テストとは?>