羽田-北九州と羽田-関空間を運航するスターフライヤーもユニークだ。機内はブラックが基調の落ち着いたインテリアで、シートピッチは他社の普通クラスより12~15cmほど広く、全席シートテレビ付き。今後、テレビ画面のサイズを現在の7インチから10インチに拡大する予定もあるなど、特にビジネスパーソンおよび同世代の旅行者を意識したサービスを展開している。

スターフライヤーの機材はエアバスA320

新興エアラインは格安エアラインとも呼ばれ、運賃の安さを売りにすることが多いが、スターフライヤーの場合、それに加えてサービスやブランド・イメージが個性的だ。「今夏は、北九州から羽田に行く人が増えると考えて、同区間に例年より安めの運賃を設定したところ、旅客が増えた」(スターフライヤー執行役員営業本部長・鈴木紀男氏)と、マーケットへのスピーディーで細かい対応も得意とする。

2007年6月からのANAとのコードシェア運航により座席利用率は安定し、航空不況の真っ只中で行われた今年3月の決算でも比較的赤字幅が小さい。「今期は黒字化を目指し、2011年には株式上場も視野に入れている」(鈴木氏)。

また、スターフライヤーは2010年秋に予定されている羽田D滑走路の供用開始を期に羽田-福岡線の就航を計画。同区間には国内新興エアラインのパイオニアであるスカイマークが就航するが、「スターフライヤーはスカイマークとは企業理念が異なる」(鈴木氏)と自信を見せる。実際、スカイマークは"料金勝負"の感が強いものの、スターフライヤーのような差別化したサービス・コンセプトを持っているわけではない。利用者にとって、航空会社選びの選択肢が広がるのはメリットといえる。

スターフライヤーのシートは全席革張りで高級感がある

シートテレビでは行きと帰りを合わせて1本の映画を観られるようにしている

さらに、スターフライヤーは北九州 - ソウル間を今夏、北九州-香港間を今秋と、国際チャーター便も運航するようになっている。