【レポート】

日本企業が世界で勝ち抜くために必要な人材マネジメントとは?

1 グローバル企業が目指すべき組織の最終形態は「ワン・カンパニー」

    今林敏子  [2009/08/13]

    アビームコンサルティングはこのほど、グローバル企業における人材マネジメントの現状と課題、今後の取り組みに関する聞き取り調査を実施し、「世界で勝てる組織」の人材マネジメントのあり方について考察をまとめて発表したのに伴い、記者説明会を開催した。ここでは、同社が提案する、日系グローバル企業が世界で勝てる組織になるための対策を紹介する。

    アビームコンサルティング 経営戦略研究センター ディレクター 木村公昭氏

    経営戦略研究センター ディレクターを務める木村公昭氏は、「これまで日系グローバル企業は日本のベストプラクティスを世界に展開することによって世界市場で戦ってきたため、マネジメントも日本人中心に行ってきた。しかし、新興市場の急成長、海外企業の買収、事業本社の海外移転など、グローバル企業を取り巻く状況は大きく変化しており、これまでのような人材マネジメントでは対応しきれない」と、日系グローバル企業が抱える課題を指摘した。

    具体的には、「経営人材が不足している」、「事業全体を束ねるグローバル本社が確立されていない」、「取締役会が経営のグローバル化に対応できていない」という課題があり、これらはいずれも"人材"に起因するという。

    同社は、企業が世界で勝てる組織になるためには、分散されている権限と機能を有機的に統合して、個を生かすことができる「ワン・カンパニー」を目指すべきと指南する。ワン・カンパニーに至るまでには、「分権化」、「分散化」、「二元化」という段階を踏むことになるという。各段階の特徴は次のとおりだ。

    • 分権化
      海外子会社の分権が進展し、地域統括組織が設置されている。
    • 分散化
      海外企業のM&Aと事業(または機能)本社の海外移転が行われており、機能が世界に分散している。
    • 二元化
      グローバル・オペレーションは統合されており、日本と海外の二元的管理が行われている。
    • ワン・カンパニー
      分散した権限と機能が有機的に統合し、バーチャルな1つの企業として機能している。

    企業のグローバル化の4つの段階

    同氏は、「現在、日本のグローバル企業は統合するまでに至っておらず、分権化または分散化の段階にある。また、グローバル化までの4つの段階の特徴は分散化と二元化の間に人材のギャップがあることだ。分散から統合に向かおうとしても、それを指揮する人材がいない」と説明した。人材のギャップが生じる理由として、縦割りの組織ごとに人材プロセスと戦略プロセスを回しており、それらを統合するプラットフォームが弱いことがあるという。

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