どんなに電子メールや電子会議室といったシステムが普及しようとも、人と人とが対面で顔を向き合わせる"Face-to-Face"のコミュニケーションに勝るものはない。事前調整や日々の連絡はこうしたITツールを使ったとしても、最後の確認やざっくばらんな会話などは、やはり生のコミュニケーションに依存したいと考えてしまう。だが時間的/距離的制約から、必ずしもこうした場を設けることができるとは限らない。

そこで登場するのがビデオ会議システムだ。アイデアや製品自体はかなり昔から存在しているものの、ネットワークの回線品質や技術的な問題から動画のクォリティも低く、本格普及にはまだほど遠いといったレベルだった。だが近年の技術向上で回線の帯域が広くなっただけでなく、動画コーデックの改善で比較的低帯域のネットワークでもHD(高精細)映像クラスの動画のやり取りが可能になり、実際に対面でやりとりを行っているかのような臨場感が再現できるようになった。

本格的なビデオ会議システムはここ数年で立ち上がったばかりの新しい市場だが、すでに複数のプレイヤーが市場シェアをかけて覇権を競っている。そのベンダのうちの1つ、米LifeSizeの製品を導入した新潟青陵大学と、新潟県内の10以上の高等教育機関を結ぶネットワークを取材し、導入までの経緯や現状についてレポートしていく。

今回取材させていただいた新潟青陵大学