【レポート】

WIRELESS JAPAN 2009 - NTTドコモ山田社長「"動画のドコモ"を目指す」

ワイヤレス&モバイルビジネスのイベント『ワイヤレスジャパン 2009』が22日~24日の3日間の日程で、東京都の東京ビッグサイトで開幕した。基調講演では、NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏が、「ドコモの10のチャレンジ」と題し、同社の今後の方針を示した。

かってない不況の中、14回目の開催

ワイヤレスジャパンは今年で14回目の開催となる。開幕にあたり、ワイヤレスジャパンを主催するリックテレコム 取締役編集長の土谷宜弘氏があいさつした。土谷氏は、「今年はかってない世界的な不況の中での開催で、携帯端末市場においても端末メーカーは大変苦労している。一方、モバイルビジネスではWiMAXやLTEなど新たなサービスも出て、名実ともに日本が最先端を走っている」と話し、不況下でも新たなサービスが続々と出てきていることを強調、今後の動きに期待を示した。

主賓あいさつを行った総務省 総合通信基盤局長の桜井俊氏

主賓あいさつでは、総務省 総合通信基盤局長の桜井俊氏が、「携帯電話は今やなくてはならないものとなっている。端末も多機能化しており、総務省では新技術をできるだけ市場の中で(新製品・サービスとして)実現してもらえるよう支援している。今回は200社にのぼる展示や有識者によるシンポジウムが行われると聞いており、新しいワイヤレス分野の技術・サービス周知のいい機会になるのではないか」とワイヤレスジャパン開催の意義を述べた。

また、総務省が13日に発表した『電波新産業創出戦略』について触れ、「電波新産業創出戦略では、現在約20兆円の無線市場を2020年に80兆円市場に拡大することを目標にしている。高度な高速通信上での新しいアプリケーションサービスなどを、皆さんとともに実現していきたい」と話した。

「ドコモの10のチャレンジ」を推進

NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏

その後、基調講演の1回目として、NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏が「ドコモの変革の取組みと新たな成長に向けたチャレンジ」と題して講演を行った。

NTTドコモでは2008年4月に「新ドコモ宣言」を出して"現場原点主義"を掲げ、2010年度に顧客満足度1位になることを目指している。そのために、端末を「docomo PRO series」「docomo SMART series」「docomo PRIME series」「docomo STYLE series」と「らくらくホンシリーズ」の「4+1」のラインアップにしたり、問い合わせに対する48時間以内のエリア対応などの顧客満足度向上施策を行ったりしてきた。その結果、解約率の低下などの効果が出てきている。

山田氏は、さらなる顧客満足度向上を行っていくとした上で、ICT活性化のための同社のチャレンジの鍵になる携帯の特性として、「リアルタイム性」「個人認証」「位置情報」を挙げ、これらの特性に基づいた以下の「ドコモの10のチャレンジ」を進めていくと表明した。

  1. パーソナル化の推進とさらなる進化

  2. ソーシャルサポートサービスの展開

  3. 融合サービスの導入・推進

  4. 動画サービスの発展と推進

  5. LTEの導入とネットワークの進化

  6. 端末のさらなる進化~オープンOS端末の推進~

  7. 端末とネットワークのコラボレーションへの取組み

  8. ペタマイニング技術を活用した新たな価値創造

  9. グローバル展開の推進

  10. 国内出資・提携の推進

山田氏は1の「パーソナル化の推進とさらなる進化」について、同社の「iコンシェル」サービスを挙げ、「アラジンの魔法のランプのような究極のケータイを目指す」との目標を述べた。具体的には、iコンシェルを位置情報と連動させることで、例えばスーパーの近くを通るとタイムセールのお知らせが来たり、普段とは別の場所で飲んでも、その近くの駅の終電の時間を知らせてくれるなどのサービスが提供される。こうした位置情報との連動サービスは、2009年度下期から提供される予定。

「パーソナル化の推進とさらなる進化」では、iコンシェルを位置情報と連動させるサービスなどが提供される

2の「ソーシャルサポートサービスの展開」においては、NTTドコモの携帯電話網をプラットフォームとし、「環境」「医療」「金融」「教育」などの分野において、他の事業者と連携しながらサービスを提供する。具体的には、「ドコモ ケータイ送金」や保健機関などにデータを提供する「ウェルネスサポート」の取組みなどがある。

3の「融合サービスの導入・推進」では、小型の基地局であるサービス利用型フェムトセルにより、家庭での安定通信環境の実現や在宅通知などの生活行動支援を行う。

チャレンジ項目4番目の「動画サービスの発展と推進」について山田氏は、「動画のドコモと言われるようにしたい」と意気込みを示した。携帯放送専用局「BeeTV」を充実させるほか、エンターテインメント分野だけでなく「観光」「通販」「警備」「医療」「ナビゲーション」などの分野での動画サービスを充実させると述べた。

「動画サービスの発展と推進」について山田氏は、「動画のドコモと言われるようにしたい」と意気込みを示した

「世界の先頭集団として2010年12月からLTE提供」

5番目の「LTEの導入とネットワークの進化」に関しては、「定額制と動画サービスの普及でどんどんトラフィックが増え、バックアップするネットワークが大問題となる。そのためにも何としてもLTEを導入したい。世界の先頭集団として2010年12月の提供開始を予定している」と述べた。

さらに、「端末は3G/LTEのデュアル端末とし、3GでもLTEでも両方使える端末にする」と説明。「5年間で3,000~4,000億円の投資を行う」と話した。

チャレンジ6番目の「端末のさらなる進化~オープンOS端末の推進~」に関しては、「Windows Marketplace」や「Android Market」と並行する形で、NTTドコモ独自の「オープンOS端末向け総合サービス・モール」を構築する方針を表明。「今年度中にプロトタイプを作りたい」と述べた。

山田氏は、NTTドコモ独自の「オープンOS端末向け総合サービス・モール」を構築する方針を表明した

山田氏はこのほか他の項目についても、グローバル展開においてインドのTTSLへの出資や国内への出資を積極的に行っていく方針を説明し講演を終えた。

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