頻繁に海外渡航する人などは海外の携帯電話を買うことをお勧めしたい。日本から多くの観光客が訪れる台湾でも、日本人が携帯電話を購入することが可能だ。今回は台湾第3の都市、台中の「ちょっと怪しい」携帯ビルを訪れてみた。

日本から直行便も多く出ている台湾は、海外の観光先としても人気が高い。台湾は携帯電話の普及率が高く、W-CDMA、GSM、CDMA2000、そしてPHSとあらゆる通信方式が提供されている。そのため、日本のケータイをそのまま台湾に持ち込んで利用することも可能だ。ただし、日本のケータイを台湾で使うと、国際ローミング料金が適応されるため料金は割高だ。頻繁に渡航する予定があったり、長期滞在する場合はやはり現地の携帯電話を買ったほうが安上がりとなる。

台湾で携帯を買うとなると、首都台北なら通信事業者の直営店や携帯ショップの集まったビルがあるため比較的買いやすい。もちろん他の都市でも携帯電話を買うことはできる。今回は台湾第3の都市、台中駅前にちょっと面白い携帯ビルがあったのでそちらを紹介しよう。

まずは台中への行き方

台中へは日本からの直行便が無いため、通常は首都台北や台湾第2の都市、高雄などから向かうことになるだろう。台中へは各都市から高速バスもあり料金も格安だが、旅行者には時間が確実で使い方もわかりやすい鉄道を使うのもおすすめだ。台中へは台湾版新幹線である「高鉄」も通っているため、台北、高雄両都市から1時間以内でアクセスできる。台北観光の合間にちょっと台中へ出て携帯を買ってくる、なんてこともできるだろう。

また台北の国際空港である桃園国際空港から高鉄の桃園駅に出れば、空港から直接台中へ向かうこともできる。ちなみに高鉄の路線と駅の並びは以下の通り。

台北 - 板橋 - 桃園 - 新竹 - 台中 - 嘉義 - 台南 - 左営(高雄)

ではさっそく高鉄に乗って台中へ向かおう。切符の買い方などは過去の記事やWEB上で情報を収集していただきたいが、自動券売機でも購入できるため、難易度はそれほど高くはない。また乗車してみると、日本の新幹線と同じ車体のため車内はまるで日本のようだ。周りから聞こえてくる言葉が台湾語や中国語である以外は、車窓風景も日本の郊外によく似ている。

海外にいるとは思えない雰囲気が感じられる台湾高鉄。台中駅へは台北、高雄両都市から1時間以内で到着する

さて高鉄台中駅に到着後、そのまま駅の外に出てもお店らしき物は何もない。実は高鉄=台湾版新幹線は、台鉄=台湾国鉄とは別会社が営業しており、新しく引いた高鉄の路線は駅が街の中心地から離れているのだ。これが日本なら、新幹線の新駅は「新横浜」や「新大阪」のように別の駅として区別するだろうが、台湾では国鉄の駅と離れていてもその都市名をそのまま駅名として名乗っている。

そのため中心部にある台鉄の台中駅へ出るには、高鉄の台中駅に接している台鉄=国鉄の駅から在来線に乗り換える必要がある。隣接する台鉄の駅名は「新烏日」駅。なお両駅は連絡通路でつながっているので、高鉄台中駅を降りて「台鉄方面」の指示に従って進めば問題なく新烏日駅へ到着できる。両駅間は徒歩数分だ。

新烏日駅は乗り換えのためだけのローカルな駅で、切符は自動販売機で買う。台鉄の自販機は最初に列車種別を選ぶようになっているが、新烏日駅は鈍行しか止まらない。そのため、台中駅までの運賃15台湾ドルを自販機に入れれば、自動的に駅名ボタンの「台中」ランプが点灯するのでそれを押せば切符が出てくる。分からなければ係員に「台鉄台中」と書いた紙を見せれば手伝ってくれるだろう。紙幣しかなければ両替もしてくれる。台湾の人は日本人にはとても友好的なので、このあたりは心配する必要はないだろう。

在来線の各駅停車に乗ること3駅(途中停車駅は烏日、大慶)で列車は台鉄の台中駅に到着する。台中駅はちょっとレトロな雰囲気の中型の駅だ。駅を出たらさっそく第一広場へ向かってみよう。

改札を出たら台鉄の案内に従う。なお「車站」は「鉄道駅」のこと

台鉄新烏日駅の自動販売機。15台湾ドルのコインを入れて台中のボタンを押す

台鉄新烏日駅ホームからは、先ほど乗ってきた高鉄台中駅が見える

台鉄のローカル列車。台鉄台中駅までは3駅、10数分程度