ロボットクリエイター高橋智隆氏が登場

京大ベンチャー「ロボ・ガレージ」主宰のロボットクリエイター・高橋智隆氏

さて、ここでは初日の18日に行なわれた高橋智隆氏のトークショーの内容を簡単にご紹介しよう。高橋氏はこれまでNHKの「TR」やTBSの「情熱大陸」といったテレビ番組、ユニクロのヒートテックのテレビCMにも出演。"将来はロボットを作りたい!"という夢を持つ子供たちにとっては憧れの存在とあって、座席の事前予約もいっぱいだったようだ。

さまざまな技術的課題に挑戦してきた高橋氏だが、最近のチャレンジと言えば、やはりテレビCMでもお馴染みの「EVOLTA(エボルタ)」だろう。世界一長持ちする同名のパナソニック乾電池のキャンペーンのため、実証モデルとしてロボットを製作。2008年5月、背中のボックスに搭載した2本の乾電池だけで、グランドキャニオンの断崖絶壁に張ったロープを6時間46分かけて登頂に成功した。大きなプロジェクトとなっただけに、もし失敗したら……と考えると精神的に相当なプレッシャーだったと苦労話や裏話が語られた。

しかし懲りずに、今度は"ワールドチャレンジ第2弾"として「ル・マン24時間」に挑戦。やはり乾電池2本のみを動力に、自らステアリングを切って先導車を追いかけ続ける車両型エボルタを製作し、今年8月上旬にフランスのブガッティサーキットでチャレンジを行なうと言う。実際に使用する車両型エボルタもこっそり(?)と披露された。

このル・マン24時間チャレンジについては、トヨタ自動車の新型「プリウス」などが当たる走行距離予想キャンペーンも実施中。予想のヒントになりそうな、広報担当"エボルタさん"のチャレンジ密着ブログも公開されているので要チェックだ。

今度はル・マン24時間走破に挑む「エボルタ」

背中の電池2本を動力に、センサで先導車を追いかけ、ステアリングも切るという

他にも、これまでに手がけたロボットを実演を交えながら紹介したり、「TeamOSAKA」の一員として参加して4連覇を果たしたロボカップ・ヒューマノイドリーグについて、ロボットの作り方についてなど、高橋氏は自らの仕事を詳しく紹介。

最後に、同氏の著書「ロボットの天才」でも触れられていた、高橋氏の考えるロボットの役割、一般への普及の道などを語り、会場の子どもたちにも「近い将来ロボットはきっと家庭にやってくる、そのときに向けて少しロボットのことを気にかけてみて欲しい」と呼びかけた。

ロボカップ優勝の「VisiON」シリーズ、伝統と先端技術のコラボ「MURASAKI」など、これまでに関わった仕事を紹介

米TIME誌の"最もクールな発明"に選ばれた「クロイノ」、"世界一美しい"と賞される女性型ロボット「FT」など、ロボ・ガレージ製ロボットが勢ぞろい

家庭用ロボット普及への道を語り、「将来に向けてロボットのことを気にかけてみて」と子供たちに呼びかけた