【レポート】

世界遺産を歩く--雄大な時の流れを感じさせるミーソン遺跡

1 歴史を感じながらハイキング

    茶木環  [2009/07/18]

    ベトナム旅行というと、北部ハノイや南部ホーチミンを中心にしたツアーが多い。だが、実はベトナム中部が魅力的だ。 古都フエ、交易中心地として栄えた時代の面影が残る街ホイアン、ミーソン遺跡……これら3つの世界文化遺産はすべて中部に存在する。今回は、ベトナム中~南部にひっそりと、雄大な時の流れと歴史を感じさせるミーソン遺跡を訪れた。

    遺跡まで、森の中をハイキング

    ホーチミン・ハノイからベトナム中部の都市ダナンまで空路で約1時間15分。ダナン空港からホイアンまでは車で約1時間。ホイアンから南西へ40キロ。長旅の末、四方を山に囲まれた盆地にあるミーソン遺跡にたどり着く。入場料は6万ドン(約400円)、遺跡と展示博物館を見ることができる。

    さて、ここから目的地まで30分ほどのちょっとしたハイキングだ。山道ではあるが、舗装されているので、暑さ以外はそれほど苦にならない。すれ違う人も皆、サンダルなどの軽装だ。ただ、荷物は少なくしておくのと飲料水の確保はしておきたい。

    山の中を歩き続ける。バイクや車のクラクションが絶えず鳴り響く街中の喧騒とは打って変わって、鳥の声だけが響く。正面にくっきりと見えるのがマハーバルヴァタ山だ。独特の形をしたこの山はそびえるように立ち、聖山と呼ばれている。

    ミーソン遺跡の北側にそびえる独特な形状の聖山、マハーバルヴァタ山

    チャンパ王国は、2世紀末にチャム族が起こし、次第に海岸沿いに繁栄していった。その後、4世紀末には、国王がヒンドゥー教シヴァ神を祀るための神殿(祠堂)を、王都ミーソンに建設したそうだ。祠堂は当初、木造建築だったが、7世紀にはレンガ造りへと変わっていった。特に9世紀以降は東南アジア海上交易の中継的な担い手となった。ホイアンに日本人町や中国人町があるのもそのためだ。

    山中にあるミーソン遺跡は4つのゾーンに分かれている

    休むためのベンチもたくさん設置されている。途中に、土産物店もあり、ここでも休憩は可。野外ステージでは1日2回、ダンスショーが行われる

    遺跡の近くを流れる小川は、大河トゥーボン川の支流。この川の河口には港町ホイアンがある。橋の下で地元民が涼をとっているのがベトナムらしい光景

    一部の建物の中は彫刻の展示室となっており、チャンパ芸術が間近に見られるだけでなく、触れてみることもできる。建物の修復も進んでいる

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