【レポート】
クライアント/サーバ方式と違い、ブラウザベースのRIA(Rich Internet Application)ではクライアントアプリケーションのアップグレードがそれほど煩雑ではない。開発ツールも充実してきており、RIAでも従来のクライアントと同じか、それ以上のUIを実現できるようになったという背景も手伝って、システム更新時に従来のアーキテクチャからRIAへ置き換える事例も増えている。
RIAでシステムを構築しようとする場合、まず採用技術候補に上がるのがFlash/Flexだ。企業のシステム更新の間隔はコンシューマ市場よりもかなり長い。Flexが登場してからずいぶん時間が経ったが、開発期間や企業のシステム更新期間を考えると、Flash/Flexをベースとした企業システムは、これからますます増えていくとみられる。
本稿ではそうしたFlash/Flexを採用したRIAの事例として、金融機関での採用事例を紹介する。RIAと聞くとつい、カッティングエッジの技術だと思いがちだが、実はすでにバックオフィスでも活用されている。金融機関での採用事例は技術の成熟度を表す点で興味深い。
話をはじめる前に、前提として求められる知識を簡単にまとめておく。日本銀行は金融機関間の決済に関して時点ネット決済と即時グロス決済を提供している。
時点ネット決済は、たとえば、金融機関間の口座振替を1日ごと(あるいは1日に数回)にまとめて、最終的な差分の金額(各金融機関の受取額と支払額の差分)だけをやりとりするという決済方法。最終的にやりとりする金額が少なくて済むため、準備する資金が少なくてもいい。ただしこの方法では、たとえば1日という単位が過ぎるまで不払いが確定できないため、場合によっては取りっぱぐれが発生する可能性がある。また、連鎖的に決済が不能になってしまう、いわゆるシステミックリスクが生じる可能性も高くなる。
一方、即時グロス決済はその都度リアルタイムに決済を実施するもので、取りっぱぐれが発生する可能性は減る。ただし、大量の資金を用意しておく必要があるという特徴もある。
国際的な潮流を背景に、日本銀行は金融機関間の取引を即時グロス決済へ移行を促すために「RTGS (Real Time Gross Settlement)」と呼ばれる取り組みを開始。さらに、これまでRTGSに対応していなかった決済の取り込みや、RTGSに時点ネット決済の利点も取り込んだ新しい次の取り組みとして「次世代RTGS」も実施された。
しかしながら、RTGSに対応した日銀提供の日銀端末ですべての業務をこなすのは、使い勝手の面などからかなりの困難がともなう。そこで、サードベンダが開発したゲートウェイシステムや管理アプリケーションを使って業務を行う - これが各金融機関の状況だ。
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