肉なら何でもまかせてちょうだい!

馬肉、ホルモン、和牛! とにかく、肉、肉、肉。「肉好きなら行くっきゃない! 」という店が東京・神田にある。その名は「神田ミートセンター」。店名を見ると、「販売のみの肉屋? 」と思いがちだが、80坪・総席数約250席という2階建ての空間である同センターには、個性的な肉料理店を中心とした7店舗が集結している。屋台風のカジュアルなつくりで、連日満席状態の人気を集めている(※17日に新店舗が1店オープン予定、3階建て計8店舗になる)。

東京・神田にある「神田ミートセンター」

オープンは5月。トータルプロデューサーは、「恵比寿横丁」や「赤坂小路」など、テーマごとに小規模店を一堂に集めた"横丁"スタイルの仕掛け人である浜倉好宣氏だ。今回は、バンブークリエイティブソリューションズと、数多くの飲食店を手がけてきたスパイスワークスが企画運営を行い、これまで付き合いのある肉屋などの意見を取り入れつつ店舗開発をしていった。

「神田ミートセンター」では、各店舗内に客席はあるものの、他店のメニューも持ち込み可能。お客は各店を自由にまわることができる。昔ながらの町の肉屋をイメージしたというレトロな雰囲気の中、こちらで一皿こちらで一杯と、食べ歩き飲み歩きができるという楽しい仕組みだ。ここからは各店舗をじっくりと紹介していこう。

店舗情報
店名: 「神田ミートセンター」
住所: 東京都千代田区鍛冶町 1 - 6 - 7
定休日: 日曜祝日
アクセス: JR神田駅から徒歩5分弱。表通りから少し入った細い路地に立地。

「神田ミートセンター」1階部分平面図

2階部分平面図

「肉のクボタ」

1階に立地する

ランチメニューの「日替わり丼」(500円)と「白コロ」(300円)

肉の卸問屋直営で、和牛をメインに扱い、炭火で焼く厚木名物「白コロ」(300円)をはじめとしたホルモン焼や、肉屋の定番総菜「メンチカツ」(190円)などを提供。フードの中心価格帯は350円程度で。

夜メニューのイチ押しは「和牛マルチョウ壷漬け」(390円)。内側に脂がのった和牛の小腸を、あえて裏返しにすることで味をしみこみやすく工夫。腸を輪切りにしていて丸いことから「マルチョウ」と呼ばれている。これを1日以上味噌ダレに漬け込み、炭火で焼気上げている。旨みたっぷりで脂がのっているのにしつこくないのは、やはり和牛のおかげ。ランチは500円均一で丼ものを揃えており、「日替わり丼」(500円)も人気。取材当日は、ジャガイモクリームコロッケやホルモン(シマチョウ)、昔懐かしい赤ウィンナーと焼き野菜をごはんにトッピングしたボリュームたっぷりの内容だった。

営業時間: 11:30~14:00(L.O)・16:00~24:00(L.O23:30)、 土日は16:00~24:00(L.O23:30)
席数: 16席

「近畿食鶏」

1階に立地。「もも肉のジューシー焼き」(360円 / 100g)や「砂肝のゴロゴロ焼き」(360円)が人気

三重県で朝に引いた青山高原鶏を、その日の夕方には店で提供。野菜も伊豆から取り寄せたものを使うといったこだわりようだ。料理長はフレンチ出身で、沖縄産の塩やたまり醤油をブレンドしたものを調味使うなど、調味料1つひとつにも凝っている。フードは極上素材にひと手間かけた焼き物や揚げ物、炙りなどが約30種類で、中心価格帯は400円台。日替わりで一品料理も用意する。さらに料理人2人が共に沖縄出身なので、沖縄料理も豊富。

人気メニューの1つ「もも肉のジューシー焼き」(360円 / 100g)は、塩と胡椒をかけ、青山高原鶏のモモ肉をかたまりの状態で焼き上げている。沖縄の塩、抹茶塩など3種の塩でいただく。さらに、「砂肝のゴロゴロ焼き」(360円)は、砂肝を軽く炒め、鶏ガラを使って店でとったブイヨンを使って軽く味付けした一品。辛子マヨネーズにレッドペッパー、黒七味を混ぜたソースを添えている。

営業時間:11:30~14:00(L.O)、16:00~23:30(L.O23:00)
席数: 18席

「闇焼馬喰ろう 馬焼酒場」

「馬喰ろうの馬ハラミ(カクマク)」(680円)や「特上カルビ(三角バラ)」(780円)といった馬肉の焼肉の他、「馬刺し盛り合わせ」(1,180円)なども揃う

馬肉の卸会社が経営しており、馬肉に親しんでもらうためのアンテナショップでもある馬肉専門焼肉店。刺身でも食べられる鮮度のよい馬肉だが、あえて上半身の脂の多い部位を中心に焼肉として提供することで、新たな馬肉のおいしさを提案している。馬肉の一大産地であるカナダの契約牧場で育てた馬を一頭買いしているため、部位が豊富で格安価格も実現。「馬肉切り落とし」(380円)、希少なシャトーブリアンを使った「ひれ」でも980円とお値打ち価格になっている。

店内

他に、「馬喰ろうの馬ハラミ(カクマク)」(680円)や「特上カルビ(三角バラ)」(780円)もあり、焼くことで脂の部分の甘みが増し、刺身とはまた違ったおいしさが楽しめる。「白モツ」(450円)は一度ボイルしてあり、再度焼いて食べるメニュー。

さらに「馬刺し盛り合わせ」(1,180円)など、刺身メニューも用意。同盛り合わせには、脂ののったシモフリ、モモ肉中心で会津産の赤身、コラーゲン豊富なコウネ、バラ肉のフタエゴを使用。ワサビやニンニク、生姜とともに醤油でいただく。焼肉メニューの中心価格帯は500~600円。アイテム数は約40種類。

営業時間: 11:30~14:00、16:00~23:30(L.O23:00)
席数: 28席

「厳選鶏肉店 若鳥焼酒場鳥○」

小上がり席もある店内。「骨付もも特製ダレ焼」や「新鮮たたき(きざみ葱包み)」(共に1,180円)など、朝引き鶏を使ったメニューが揃う

生後30日の丸のひな鳥を焼き、あらゆる部位を楽しませる鶏料理店。築地の鳥問屋「鳥藤」の協力で、その日の朝引き鶏を仕入れている。"お肉屋さんの焼き鳥"ということで、串は使わず直に網にのせて豪快に焼き上げる。人気は、ひな鳥のモモ肉を醤油ベースのピリ辛ダレにつけ込んで焼き上げた「骨付もも特製ダレ焼」や、やわらかで旨みのある朝引きひな鳥の刺身「新鮮たたき(きざみ葱包み)」(共に1,180円)など。

焼き鳥もその他のつまみ類も280円~。つまみは「たたききゅうり」(280円)などシンプルでさっぱりしたものが中心。メニュー総数は60種類程で、フードの中心価格帯は500円台。

営業時間: 11:30~14:30、16:00~23:00(L.O22:00)
席数: 32席