【インタビュー】

ライフネット生命出口社長が明かす - 若い人が元気の出る"新たな生命保険"と開業1周年"好調"の秘密

1 開業1周年、"好調"を支える「志カード」の秘密とは……?

    酒井富士子  [2009/07/06]

    ライフネット生命保険(以下、ライフネット)は2009年5月18日、開業1周年を迎えた。保険料の原価開示で生命保険業界に激震を与え、新規契約申し込みのモバイル対応も行った。1年で7,000件を超える契約件数を記録。今年度中には、新商品も投入する予定で、同社の勢いはとどまるところを知らない。

    マイコミジャーナルでは7月6~12日、「マイコミジャーナル保険見直し週間」と題し、保険の見直しに関する情報提供を行っていくが、初日となる6日は、出口治明社長に1年を振り返ってもらうとともに、今後の展開についてギリギリまで語っていただいた。

    1年で7,000件を超える契約件数。大手銀行窓販と肩を並べる実績が

    ――ライフネットはこの5月18日で開業1周年となりましたね。ここのところ、販売好調とうかがっていますが、1年を振り返ってのご感想をお話ください。

    ライフネット生命保険 代表取締役社長 出口治明(でぐちはるあき)氏プロフィール

    大学を卒業後、日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に東奔西走する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2005年より東京大学総長室アドバイザーを勤め、2006年に準備会社を設立。2008年より現職

    出口「会社の経営状況を振り返るなら、やはり、売上高を見るということになるのでしょうね。それでいうと、直近5月の申込件数は1,554件。これによって累計申込件数は1万1,175件と1万件を突破しました。開業以来で計算すると、累計契約件数は7,000件、累計契約高は1,000億円を超える数となりました。

    これはどんな数字かというと、大手銀行が2007年12月から死亡保険などを販売し始めたので(銀行窓販)、それと比較するとわかりやすいかもしれません。窓販開始からの1年間での売上トップは三井住友銀行で、契約件数は7,700件です。保険会社から中途採用した240人が専門で窓口販売した結果がこの数字だといいます。

    そう考えると、インターネットという店1件で、販売員はほぼ0人の状態で、1年に販売した件数が7,000件と大手銀行とほぼ互角の成績をあげたライフネットは、まあまあがんばった、ということが言えるんじゃないでしょうか」

    保険契約件数の推移(件)

    ――大手銀行の知名度がほぼ100%とすると、ライフネットはそれほど知られているわけではない、ということを考えてもすばらしい結果なのではないでしょうか。

    出口「最近、ライフネットを知っている人がどのくらいの割合でいるか調査しましたが、100人に6.4人の人が知っているという結果でした。つまり知名度6.4%ということになります。ただ、インターネットでの調査ですから、ネットでのみ販売しているライフネットには若干有利な数字かもしれません。割り引いて考えると、認知率は半分の3%というところかもしれません。

    昨年1年は派手なテレビCMなどは打たずに、口コミ中心で会社の訴求をしてきました。会社にお呼びする形で『加入者の方との集い』として、加入者の皆さまと副社長の岩瀬や私がお目にかかり交流する会を定期的に持ったり、『ありがとう投信』『セゾン投信』と合同で、全国各地で講演会を開いたりもしてきました。人が2~3人という会であっても、呼ばれれば、社長と副社長が全国を駆け回って、直接お話しをするという活動を地道に続けてきました。

    ただ、知名度3%を30%にするためには、これからはもっと様々な手法で会社を知ってもらう必要があると思っています。3%で7,000件の方が加入してくださったということは、30%になれば、7万件の加入があるかもしれない、ということです。われわれは、5年で15万件の加入を得る、という目標を掲げていますが、知名度が順調にあがっていけば、3年で目標が達成できるかもしれない、といううれしい予測も踏んでいます」

    ネット調査で今後生命保険に加入するチャンネルの1位はインターネットに

    ――15万件の目標達成が早めに実現できそうということですが、その根拠はなにかあるのですか?

    出口「先日、SBIアクサ生命とインターネット生保に関する共同調査をしました。日本の生命保険業界に『changeが必要か』という質問には68.4%の人が必要と答えています。『必要なchangeの内容はなんだと思うか』という質問に対して、『保険料が安くなること』が1位、『商品がシンプルでわかりやすくなること』が2位、『各社の保険商品を横並びで比較できるようになること』が3位と続いています。これらは、まさにライフネットが目指していることそのものです。また、『今後生命保険に加入するなら、どのチャネルから買いたいか』という質問でも、インターネットを通じてと答えている人が1位なんです(グラフ参照)。私はこれを見て、われわれが目指している方向性が市場のニーズとマッチしているということが確認できたと思っています。今のまま、信念を持って続けていけば、お客さんがきっとついてきてくれる。この確信が目標達成できると思う一番の理由です。

    あなたが今後生命保険に加入するとしたらどのチャンネルから買いたいと思いますか?【複数回答形式】
    出典 : ライフネット生命保険とSBIアクサ生命保険の共同調査「ネット生保に関する調査」

    そういう意味でもうひとつうれしいのは、『ライフネット生命の志カード』というのがあります。はがき大の1枚の紙で、『ぜひライフネットのHPを開いてください、もし気に入ったらお友達に紹介ください』という口コミのお願いが書いてあります。私はいつもこれをたくさん持っていて、講演会でも1人の方にご説明するときでも、ご希望の方は持っていってください、とお声掛けをしています。すると、たいていの方が20~30枚は持って帰ってくれるのです。小さなことかもしれませんが、こんな皆さんの反応も、私にはライフネットが市場に受け入れられていくだろう、と思える確信につながっているのです」

    ライフネット生命の志カード

    次のページでは、今年度中にも登場する新商品の秘密について出口社長に語っていただきました。

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