"BotCasting"=ロボット放送実現のためのクラウド

次に、今回の本題であるクラウドによるロボット放送の概念図が示された。家庭用ロボットが"スピーシーズのクラウド"につながり、そこからWikipediaやGoogleなどの"一般クラウド"にアクセスして情報を入手する、という構図だ。ロボット本体だけで本格的なコミュニケーション機能を実現するのは、CPUの能力やさまざまなリソースの問題もあって難しいため、普及のためにもロボット本体はなるべく安く抑え、クラウド、サーバの方にコストをかけたい。その結果、多くのロボットで共通に使え、安いロボットでも様々な機能を実現できる。これに関して、春日氏はGoogleマップを例に挙げた。どんな安いパソコンでも世界中あらゆる地図が見られるというのは実はすごいこと。それと同じようなことをロボットでも実現しようという訳だ。

家庭用ロボットが"スピーシーズのクラウド"につながり、そこからWikipediaやGoogleなどの"一般クラウド"にアクセスして情報を入手する、という概念

続いて、クラウドを利用した具体的なデモシステムの図が示された。ここではiPhoneをマイクとして使用し、音声認識エンジンが言葉を認識、会話エンジンが会話を作ってロボットにしゃべらせる。図の下半分、iPhoneとパソコンとロボットは原状バラバラだが、次のロボットではこれらが一体化し、ロボットのみで機能すると言う。

デモのシステム概要

システム的にはもうできているということで、実際のデモンストレーションのビデオが披露された。これはYouTubeにアップロードされているので、ぜひご覧いただきたい。

まずは占いのデモ。ユーザーに誕生日などを聞き、その日の運勢を話す。自然な形でロボットがユーザーの情報を知っていく、ということも狙っているそうだ。続いて、NHKのWebサイトからのニュース再生、Wikipedia検索の様子も披露された。

ちなみにこのデモで子供の声でしゃべっているが、録音したものを再生しているのではなく、サンプリングしてエンジンで合成しているそうだ。また、動画では見えづらいが、認識した言葉はiPhoneの画面に表示されている。

デモ動画を終えた後、春日氏は、ロボットとインターネットがつながることで、様々な情報を持ってきて、会話もできるようになり、ロボットの働きが非常に濃くなっていく、と説いた。これにより、ただの情報のやり取りではないコミュニケーションが成立し、それ以上のことをやるのも楽しくなる。だから、「この形であることが重要であり、いかに感情移入できるかがロボットにとって一番大事」(春日氏)とのこと。

また、クラウド構成のビジネス的な有用性として、ロボット側を何も変えなくても、サーバ側でアプリケーションを変えることでカスタマイズやアップデートが可能なことが挙げられた。たとえば今日は男の子の声だったが明日は女の子、ということもできるし、もちろんユーザの好みで選択もできる。好きな俳優の声や特徴的な動きなどをパッケージにして販売するなど、将来的にはロボットのキャラクタービジネスも成り立つだろう、という話も出た。