米Microsoftは、公式ブログ「Engineering Windows 7」において、Windows 7におけるClearTypeの技術情報に関するエントリ「Engineering Changes to ClearType in Windows 7」を公開した。フィードバックに基づいて公開された今回のエントリでは、Windows 7ではどのようにフォントのレンダリングが行われているか、そして、Windowsのデフォルトのフォントレンダリング技術にClearTypeが選ばれた背景が語られており、本稿ではその抜粋を掲載する。

なお、ClearTypeではなく、Windows Me(Windows Millennium Edition)で採用されていたBi-Level Rendering(後述)をデフォルトのフォントレンダリング技術として使用したい場合は、以下の手順で可能となる。

  1. スタートメニューの検索窓から「調整」を検索する
  2. 「Windowsのデザインとパフォーマンスの調整」を選択
  3. 「パフォーマンス オプション」ウィンドウの「カスタム」オプションで、「スクリーン フォントの縁を滑らかにする」のチェックを外す

または、以下の方法でも同様の設定を行える。

  1. コントロールパネルを開き、表示方法をカテゴリに変更
  2. 「システムとセキュリティ」→「システム」→「システムの詳細設定」(左ペイン)の順番にクリックしていく
  3. 「パフォーマンス オプション」ウィンドウを開いて上記設定を行う

以下でも同様だ。

  1. コントロールパネルで「デスクトップのカスタマイズ」を開き、ウィンドウ右上の「表示方法」で「大きいアイコン」か「小さいアイコン」を選択
  2. 「パフォーマンスの情報とツール」を選択
  3. 左ペインにある「視覚効果の調整」をクリック
  4. 「パフォーマンス オプション」ウィンドウで上記同様の設定を行う

「パフォーマンス オプション」ウィンドウ

ClearTypeとは?

1998年にコンピュータ見本市「COMDEX 1998」で発表され、2001年にリリースされたWindows XPからWindows Vista、そしてWindows 7へと引き継がれているClearTypeは、コンピュータのディスプレイ上におけるフォントの見栄えと視認性の両方を向上させるための技術だ。コンピュータ総利用時間の80%以上がディスプレイ上の文字の読み書きに費やされているため、フォントの見栄えと視認性の向上はWindowsエクスペリエンスの質の向上におおいに貢献すると考えられている。また、以前のエントリ「Advances in typography and text rendering in Windows 7」でも触れられている通り、ClearType技術は時間の経過とともに進化しており、Windows 7でも改善が加えられている。

ClearTypeは、フルピクセルのように色つきのサブピクセルを基礎配列に組み込むことで、人間の目の錯覚を利用して解像度を上げるという技術だ。赤、緑、青の3色(RGB)のサブピクセルを垂直に並べて利用するLCDパネル向けに最適化された技術だが、CRT(とりわけアパーチャグリルのもの)や水平ベースのRGBサブピクセルを利用するLCDパネルでも十分な効果は得られる。理屈に合わないかもしれないが、これらの最適化されていないディスプレイでも約70%ものユーザーがClearTypeを好むという調査結果が出ている。なお、ClearTypeとは異なるレンダリング方法を好む30%は、ClearTypeでは文字がはっきりと見えにくいことを主な理由として挙げている。