【インタビュー】

Imagine Cup 2009 - 世界で勝つために準備を進めてきた - NISLab++に聞く

大河原克行  [2009/07/02]

マイクロソフトが、7月3日(現地時間)からエジプト・カイロで開催する『Imagine Cup 2009』において、ソフトウェアデザイン部門の日本代表として参加するのが同志社大学の学生を中心としたNISLab++(ニスラボ プラスプラス)だ。彼らが挑むテーマは、「普遍的な初等教育の達成」。その解決のために、教科書活用のためのプラットフォーム「PolyBooks」を提案する。インターネット上に無償で公開されている様々な教科書コンテンツやPolyBooks上で有志のメンバーが作成したコンテンツを、電子データとして教科書を必要とする開発途上国などに配布するというものだ。世界大会への出場を前に、NISLab++のメンバーである、同志社大学の中島申詞さん、加藤宏樹さん、前山晋哉さん、京都大学の門脇恒平さん、そして、メンターである同志社大学の小板隆浩氏に、その意気込みを聞いた。インタビューは、翌日からエジプトに旅立つというタイミングだったが、チームのメンバーには緊張している様子はまったくなく、和気あいあいとしたなかで行なわれた。

ソフトウェアデザイン部門に出場するNISLab++。左から加藤宏樹さん、中島申詞さん、門脇恒平さん、前山晋哉さん

──世界大会出場おめでとうございます。世界大会への意気込みを聞かせてください。

中島 昨年(フランス・パリ)に引き続き2度目の世界大会出場ですが、昨年は世界大会の本番で、デモが動かないという失敗をしましたから(笑)、今年はそうした失敗がないように入念な準備を進めています。昨年の経験がありますし、今年はかなりの自信があります。

前山 昨年は第1ラウンドで敗退しましたが、そんな形で日本に戻ってくるということはしたくないですね。昨年と同じところでは終わらないという強い気持ちを持っています。

加藤  やはり目指すのは優勝です。最初から世界大会を意識した形で、1年以上に渡って開発を進めてきましたから。昨年の悔しさが、今年の成果につながっているといえます。

──最初から世界を意識したなかで開発を進めてきたわけですが、かなりのプレッシャーがかかっていたのでは

中島 確かにプレッシャーはありましたが、最初からみんなで楽しくやるという環境が自然とできていました。誰かが指導して引っ張っていくという雰囲気ではなかったですね。私はリーダーを務めたんですが、リーダーというよりも、どちらかというと、みんながやりやすいようするために、雑用係のような仕事が多かった(笑)

小板(メンター) 昨年はああした方がいいのでは、こうした方がいいのではというように、随分と口を挟んだ覚えがあります。でも、今年はほとんどそうしたことがなかった。こうしたものを作ってみてはどうかというと、すぐに開発してしまうという具合に成長している。昨年に比べると、私からの要求は8割減という印象ですよ(笑)。昨年から大きく成長していることを実感しています。

前山 8割減というのは嘘ですね(笑)。けっこう、いろいろと言われましたから(笑)

──一番力を注いだ部分はどこですか。

中島 コンセプトづくりの部分ですね。昨年は、日本大会が終わった後に、世界で戦うために、慌てて作り直しをするというような問題が発生しましたから、そうならないように、とにかく土台はしっかりと作った。昨年の場合には、チームの意見をまとめるのに時間がかかった部分もありましたが、今年の場合は、チームが2年目を迎えたということもあり、お互いの考え方がわかっていますから、そのあたりは大きな障害はありませんでしたね。

小板 実は、この春にひとり(門脇さん)が京都大学に移りましたから、Skypeミーティングを活用して、同志社大学と京都大学を結んだ意見交換、情報交換も進めました。ここでも、資料をどうやりとりをするのかといった点を含めて、工夫を重ねました。慣れてくると高い効果が出ることもわかりました。

──Imagine Cupと学業の両立というのは大変だったのでは。

中島 私の場合、就職活動もありましたから、なかなか時間の配分が難しかった。就職活動の時には、就職活動を優先して、研究活動のときには研究活動を優先する。そして、Imagine Cupの時にはImagine Cupに没頭するというように時間の切り分けを行ないました。ただ、就職活動において、Imagine Cupへの参加経験がプラスに働いたという側面を感じることはありました。

門脇 私の場合は、大学を変わったということもあり、大学での研究活動の方をどうしても優先しなくてはならないという場合が多かったものですから、メンバーには迷惑をかけたという気持ちが強いですね。それをみんながカバーしてくれたという点で、感謝しています。

前山 私は休学中だったので、Imagine Cupにはかなりの時間を費やすことができました。むしろ、Imagine Cupに最優先で取り組むことができたといえます。

加藤 彼女が一番で、Imagine Cupは2番目だったんじゃないの(笑)

前山 なんで、それをいうかなぁ(笑)。

──ちなみに最も苦労した部分はどこですか。

中島 やはりコンセプトづくりの部分ですね。(一同うなづく)

門脇 それと日本大会が終わったあとに、2カ月間で「タッチレス」という機能を追加しました。約1カ月、議論を重ね、残りの1カ月で開発することになりましたから、この短期間での作業は大変苦労しました。

──やり切れなかったことはありますか。

門脇 実際に活用してもらうという、実績の部分が間に合わなかったことが反省点です。

中島 私たちの開発がもう少し早く終わっていれば、実際に現地の方々に利用していただき、その成果をプレゼンテーションのなかに盛り込むことができましたからね。このソフトが実際に活用された上で、成果が出ているのかどうかという点は、聴講している人に与える印象がかなり違いますから、その点ではやり残したということになります。

加藤 先進国の大学が興味本位で作ったというものではなく、今回のImagine Cupの重要なテーマである新興国でも活用できるという実績が必要ですからね。そのテーマに対しては、自信があるものが出来上がったと思っています。

前山 実は、プレゼンテーションを行なう日までに、メンター企業に活用していただいた成果について、返事がもらえる可能性がまだ残っているんです。これが間に合えば、ぜひプレゼンテーションに取り入れたいですね。そうすれば、いま以上に評価が高まることになると思っているんです。

──Imagine Cupに挑戦した成果はなんですか。

中島 様々な場面で考える力がついたと思います。その点ではいい経験ができました。

小板 私から見ていても、学生が大きく成長したことを感じます。勝つためにはどうするかということを共通の課題として捉え、その上で、知恵を出し合って開発したものですから、昨年に比べて明らかに安定感があります。今年のImagine Cupは、結果が楽しみです。

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