【インタビュー】
続いて、Stearns氏に現在注目している技術について伺った。同氏はその仕事柄JavaScriptやCSS、HTMLなどについては常に注目していると語っている。HTML5については、Canvasの拡張やVideo/AudioタグのサポートなどによってFlashを代替できるだけの実力を備えようとしている。これについて同氏は「いくつかのタスクでは魅力的に感じる部分もある」としながらも、依然としてFlashのシェアの大きさが強力な武器になるだろうとの見解を示している。
「Flashコンテンツを扱う部分というのはWebブラウザから完全に独立しています。アプリケーションの開発者はFlashのみをターゲットにすればよく、Webブラウザ間の実装の違いを意識する必要はありません。Webブラウザの技術の進歩やシェアの変動は目覚しいものがありますが、Flashコンテンツの開発者はそれらをまったく気にしなくてもいいんです。これは大きな魅力です」
Webにおける新しいコンテンツに対しては、異種プラットフォームの混在が常にその普及の障壁になってきた。古くからRIAを牽引してきた同氏だからこそ説得力のある指摘とも言えるだろう。ではそのRIAが全盛となった今の時代に、アプリケーションの開発者が気を付けなければならないことは何だろうか。これについては同席したBrandie氏が、広告代理店で実際にWebサイトの構築を行っているという立場からの意見を聞かせてくれた。
「デベロッパやデザイナが一緒に仕事をすることになるので、サイロ型で開発をするのではなく、最初から一緒に、お互いの意思疎通を行いながら仕事をすることが大切です。そしてビジョナリーやコンセプトリーダー的な役割を置くことも重要になります」(Brandie氏)
それに対してStearns氏は次のように補足している。
「順序としてはまずテクニカルリーダを立てて、その次にデザインリーダを立てる。そしてそこからナレッジを広げていくというのがいいと思います。デザイナはときに夢見がちな部分を見せる場合があるので、それをうまく現実のシステムに落とし込むのがデベロッパの仕事ですね(笑)」(Stearns氏)
最後に、Stearn氏に日本に開発者に向けて技術を向上させるためのアドバイスをいただいた。同氏は再三に渡って「学び続けることが大事」だと強調した。特に長く活躍できる開発者になるには、コンピュータサイエンスの基礎をしっかり学ぶことが大切だと語っている。基礎技術は1度学べば多くのことに応用できるからだ。
学び方としては単にどこかの学校に通うだけでなく、オンラインのドキュメントやビデオ講座を活用するのもうまい方法だと指摘する。たとえばMITやスタンフォード大学などは講義の模様をビデオ配信している。また勉強会や無料セミナーも増えており、気軽に参加するにはいい機会と言える。
「5年前にもカンファレンスはたくさんありましたが、参加費が高いのが問題でした。そこで参加者どうしでもっとカジュアルなイベントをやったらいいということになり、有志の手で勉強会やセミナーが開催されるようになりました」(Stearns氏)
最近では日本でも各地で大小さまざまな勉強会やセミナー、開発者どうしの交流会などが行われるようになった。さまざまな技術のユーザ会も活発であり、学ぶ場はたくさんある。
「コミュニティに参加して学ぶことは新しいコラボレーションにつながり、とても大事なことです。それはネット上のコミュニティでも同じことです。恐れずに積極的に機会を使っていってほしいと思います」(Stearns氏)
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