6月24日から26日の3日間にわたり、東京ビッグサイト東ホールにてバーチャルリアリティの専門展示会「第17回 産業バーチャル リアリティ展」が開催された。会場では、ディスプレイや表示・入力デバイスシステム、センサといった基盤技術・製品の発表、3DCGソフト、3次元モデリングツール・ソフト、モーションキャプチャといった応用関連製品がメインに出展。その他、3Dディスプレイフェア、3DCGフェア、3次元デジタイザフェアという3つの特設フェアも催された。

会場は東京ビッグサイト東ホール、会場には数多くの人であふれかえっていた

主には、さまざまな産業に向けられた製品が並んでいたが、その技術はクリエイティブでも大いに取り入れたいところ。多くの研究者や開発者なども関心を寄せた、先端のバーチャルリアリティをレポートしてみたい。

ブース紹介

極東貿易/電通国際情報サービスのブースでは、「MIXED REARITY」のデモが行われていた。ヘッドマウントディスプレイを通して見ると、現実のシーンに仮想オブジェクトが映るというもの。写真は、演奏中の楽器やそのまわりからさまざまな模様が飛び出る様子をMRでデモ。写真左がヘッドマウントディスプレイを装着している様子。右が、ディスプレイに映っている画像をモニタで映し出したもの


ナックイメージテクノロジーのブースでは、リアルタイム3次元動作解析システム「Mac 3D System」のデモが行われた。同システムは、フルデジタルの光学式3次元動作解析システムで、複雑な動きでも正確に表示。表示方式も、関節モデル、CGキャラクタなどリアルタイム処理が可能。その他、視野映像、注視点データを記録するモバイル型のアイマークレコーダ「EMR-9」、ハイスピードカメラなどの製品展示もあった


アムテックスのブースでは、米Organic Motion社のモーション・キャプチュア・システム「moven」のデモが行われる。同製品は、埋め込み配線の合成繊維スーツを着用することで、モーションキャプチャーデータを記録可能。リアルタイムでの表示、再生、編集機能が備わっているほか、容易な操作性が特徴。屋内・外を問わず使用できる


ゼロシーセブンのブースでは、米Organic Motion社のマーカーレスモーションシステム「Stage」のデモが行われた。完全なマーカーレスで、リアルタイムにモーションキャプチャが可能なシステム。撮影対象者が、撮影領域内に入るとシステムは自動的にスタートするほか、特殊なスーツの着用も不要。仮想ジャムセッション、3DCGアニメなど幅広い用途ができる。デモは、キャラクターの3DCGアニメへの出力


日本SGI/エルザジャパン/シスプロのブースでは、大画面4Kマルチユース・シアターを用いたプレゼンテーションが行われた。同システムは、超高解像度の4K映像に、あらゆる種類のデータを1タッチで切り替えることができる。自動車のデザインを立体で表現する「RTT DeltaGen」や、インタラクティブなVR環境環境構築ツール「Virtools」などのアプリケーションが使用され、その技術に多くの来場者が関心を寄せていた


レッツコーポレーションのブースでは、ホームエンタテイメント用3Dワイドテレビ、デュアル・ICメモリカード同期再生システムを搭載した観賞用3Dミニシアターシステムや、立体映像ビデオフォーマットに対応した再生ソフト、more VIDEOなどの紹介がなされていた