「QuarkXPress 8公認ガイドブック」(弊社刊)

数回に分けて展開している「QuarkXPress 8」徹底攻略。今回も「QuarkXPress 8公認ガイドブック」(弊社刊)の筆者のひとり宮崎綾子が、「3.3」、「4.1」などの旧バージョンのユーザー向けに、QuarkXPress 8の便利なチップスを紹介する。9回目となる今回は、QuarkXPress 4のサポート終了にまつわるチップスついて解説したい。



「たまに使うつもり」のQuarkXPress 4ユーザは要注意--QuarkXPress 4がサポート終了間近!

QuarkXPress 8へ乗り換え済みのユーザはまだまだ少ない。なかには他社ソフトへ乗り換えたユーザもいるだろうが、クォーク社によれば、6.5/4ユーザもまだまだいるという。バージョン3.3は、2001年にサポートが終了されたが、QuarkXPress 8発売から丸1年となる2009年7月31日、QuarkXPress 4のサポートも、いよいよ終了される。タイトルの通り、「たまに使うつもり」だったり「更新データだけQuarkXPressで」と思っているなら、今が、ソフトウェアに関するサポートが受けられる最後のチャンスとなる。

QuarkXPress 4サポート終了の詳細は、クォーク社のサイトで確認できる

サポートデータが終了すると心配なのは、電話・メールでソフトウェアの操作サポートが受けられなくなるだけでなく、ハードウェアキー(ドングル)が故障しても交換ができなくなる、ということだ。QuarkXPress 4では、発売当初はADBポートに接続するハードウェアキーが採用されており、ADBポートのないマシンが普及すると、USBタイプが用意された。しかし、ハードウェアキーの交換は有料サービスのため、QuarkXPress 4ではADBタイプのハードウェアキーを使用しているユーザも多く居られるだろう。

サポート終了前に確認しておきたい、起動環境

もしも、サポート終了後もQuarkXPress 4を起動する機会がある場合は、次のことを確認しておこう。

1、インストール済みのアプリケーションデータを保存しておく
フロッピーディスクが付属しているインストーラーを持っている場合は、インストール済みのアプリケーションデータをCD-Rなどにバックアップすることをオススメする。再インストールが困難だからだ。フロッピーなしインストーラーの場合も、Mac OS 9環境でなくクラシック環境しか残されていないなら、正しく起動しない恐れがあるので同様にインストール済みアプリをバックアップしておきたい(QuarkXPress 4自体は、クラシック環境で動作可)。あるいは、ライセンス登録はしているが、久々にパッケージを開けたらCDが行方不明だったよ! といった場合は、「保証期間、および検証・交換手数料について」によれば、インストールディスクの再購入もサポート終了までは可能なので、取り寄せておくといいだろう。

2、ハードウェアキーの交換が必要かどうか検討する
ADBポートのないMacでは、USB/ADB変換アダプタとその付属ドライバを使うことで、ADBハードウェアキーが認識できる。ただ、ADBハードウェアキーの認識されない時がある、変換アダプタを紛失した、これまでADBのあるMacでしか使っていなかったため新しいハードウェアで使う方法が不明という場合は、いまのうちにUSBハードウェアキーの交換を申し込むといいだろう。ただし、費用として6,300円がかかる。また、USBハードウェアキーを使用している場合でも、もしもハードウェアキー自体が不調なら、この際、交換や修理の依頼を出そう(保障期間外は有償)。ただし、今後も「ADBのあるMacで使い続ける(ハードが壊れたら使用停止する)」と考えている場合は、手元にADBハードウェアキーを残すために、むしろ交換してはいけない。「USBハードウェアキーへの交換について」の詳細はこちらで確認できる。

3、ハードウェアキー認識のためのドライバソフトウェアを保存しておく
USBハードウェアキーでは「USB Sentinel」、ADBハードウェアキーでは、変換アダプタのメーカーごとに用意された専用ドライバ(たとえばiMateならiMate Driver、uKeyならばuKey Driverなど)が必要だ。基本的にはサイト上にデータがあれば安心だが、念のためこれらのドライバ類も、アプリケーションと一緒に保存しておこう(圧縮・解凍ソフトも仕様変更されていくから、念のため圧縮されたものは解凍しておくといい)。

QuarkXPress 4で何万ページというデータを作ってきたユーザ、最近でも4が現役というユーザなど、「ひょっとしたら必要」という仕事のシチュエーションが思い浮かぶならば、これらのチェック、6月中に済ませておきたいものだ。

ここまで詳しくQuarkXPress 4の環境を温存するために必要なものについて触れてはきたが、とはいっても、QuarkXPressのドキュメント自体は、下位互換性があるので、新バージョンのソフトで開くことができる。特にQuarkXPress 6.5は、8に比べるとずいぶん4との互換性が高い。もちろん、4→8へのコンバートも可能だ。この実践例については、『QuarkXPress 8公認ガイドブック』で紹介している。そのまま大量印刷するのでなければ、こういった“手”も知っておくとよいだろう。

なお筆者の場合は、QuarkXPress 4環境を、使わなくなったOS 9ネイティブのインストールされたノート型Macに保存することにした。これならば場所も取らず、イザというときは安定して利用できる。とはいえ、いまのところ仕事で活躍することはないようなので、いまさらOS 9を起動することなく、ソフトウェアミュージアムになることを願う。

QuarkXPress 8公認ガイドブック

今回は、QuarkXPress 4のサポート終了で確認したいことを総まとめで紹介。現バージョンのQuarkXPress 8は、実際の操作はもちろんのこと、ワークフローも見据えた、全体的な効率アップを前提にしている。自社にスムーズに導入活用するにはどのように使っていけばいいのかお悩みの方は、発売中の「QuarkXPress 8公認ガイドブック」をぜひ手に取ってほしい。QuarkXPress 8をフルに活用するために必携の本書は、新機能の紹介はもちろんのこと、3.3、4.1ユーザのための移行テクニックや、ワークフロー解説なども盛り込まれた幅広いコンテンツで、ユーザをトータルにサポートする作りとなっている。「そんなの知ってることばかり」という方もご安心を。QuarkXPressのカラー管理やXMLがベースとなる新機能ジョブジャケットや、Flashデータを書き出すインタラクティブレイアウトなどについて、きちんと触れているのは本書だけ。まさに、QuarkXPress 8の特徴を網羅した解説書となっている。