海外では、3日で100万台を超える販売台数を記録した『iPhone 3GS』。日本でも26日の午前7時から、ソフトバンクショップ表参道やアップルストアで販売が開始される。ソフトバンクショップでの予約には200人近い行列ができるなど、昨年同様、一種"お祭騒ぎ"の賑わいを見せている。では、「iPhone 3GS」は、先代の『iPhone 3G』とどこが変わったのか。今回、発売前に実機を入手できたので、その実力を検証した。

先代のデザインを踏襲した「iPhone 3GS」

裏面の刻印の処理が異なり文字の可読性が上がった

一発で体感できる「iPhone 3GS」の速度

すでに日本でも、「iPhone OS 3.0」の提供が始まっている。「iPhone 3G」にインストールして、一足先にその機能を体験したユーザーも多いだろう。コピー/カット&ペーストやMMS、横長キーボード、スポットライト検索と、追加になった機能は実に多彩だ。細かな改善まで含めると、100以上の新機能が加わったという。「iPhone 3GS」にもこのOSが採用されているため、基本的な機能は「OS 3.0」を入れた「iPhone 3G」と同じだ。ただ、ハードウェアが異なるため、「iPhone 3G」ではサポートできない、いくつかの重要な機能が搭載されている。

OSが3.0に上がりコピー&ペースやMMSに対応した

もっともユーザーの快適さを向上させるのが、「動作速度の向上」だろう。アップルのプレスリリースなどでは「2倍速くなった」とうたわれている。どの部分がどう進化したのかという詳細なスペックは公開されていないが、ハードウェアの構成変更やソフトウェアの改善などがトータルで効いているようだ。サポートするHSDPAのカテゴリーも上がり、下り最大7.2Mbpsとなっている。

そこで、実際に「iPhone 3G(OS 3.0)」と「iPhone 3GS」で同じサイトを読み込ませてみた。まず、本稿を掲載しているマイコミジャーナルの携帯チャンネルに、3G回線でアクセス。結果、前者が約26.3秒かかったのに対し、後者はわずか13.6秒。本当に2倍ほど速くなっている。なお、ソフトバンクモバイルの7.2MbpsのHSDPAは、関東、東海、関西の一部のみで詳細は公表されていないが、東京都内の繁華街に構える事務所で試したため、恐らくエリアの範囲内だと思われる。次に、同じページにWi-Fiで接続してみたところ、前者は25.6秒、後者は10.1秒でページの読み込みが完了した。その差はなんと約2.5倍。Wi-Fiだと、両者の回線に差はなくなるが、違いがより顕著に現れた。このことから、ハードウェアやソフトウェアの改善が、ウェブへのアクセスに効果を発揮していることが分かる。

左が「iPhone 3GS」、右が「iPhone 3G」のメモリ

マイコミジャーナルには13.6秒でアクセス