【レポート】
米PTCの日本法人であるPTCジャパンは6月23日、都内で記者会見を開催し、6月8日に米国で発表した統合3次元CAD/CAM/CAE製品「Pro/ENGINEER(Pro/E) Wildfire 5.0」の説明を行った。
冒頭に登壇した同社のビジネス開発推進室 ディレクターの後藤智氏は、「新幹線やパソコン、携帯電話などの製品を生み出すためにPro/ENGINEERは用いられてきた。一概には言えないが、企業が製品を生み出すというよりも、むしろ製品があるから企業が成り立つ」という考えを示し、優れた製品があれば、「マーケットを定義できるほか、当然ながら売上の増加、利益の増加、競争優位性の確保などのほか、顧客との良好な関係の構築や株主への価値還元などができ、そして何より従業員が元気になる結果、優れた企業へとステップアップする」と指摘する。
また、グローバル化するビジネスへの対応や、開発のリーン対応やグリーン化への対応、PLMにおけるERP連携やBIといった話題に触れたほか、日本の顧客の3次元図面がどうあるべきか、という点としてJEITA(電子情報技術産業協会)との連携などを行っていることを説明、「日本でも企業・大学などでPTC製品を活用してもらうことで、色々な取り組みをしていってもらいたい」と期待を表した。
一方、本題のPro/E Wildfire 5.0だが、こちらはPTCのMCADプロダクト・マネジメント担当ディレクターで、アナリシス機能の開発を担当してきたというJohn Buchowski氏が説明を行った。同バージョンではさまざまな生産性における障壁に対するソリューションが取り入れられており、拡張された機能と新たに追加された機能の数は330以上におよぶという。同氏は、「同バージョンでは、5つのソリューションに対する答え"リアルタイムでのダイナミック編集により、変更がより迅速、簡単に"、"ユーザーの使い勝手の大幅な向上"、"CAD相互運用性の新たな標準"、"アプリケーションとのさらなるシームレスな統合"、"画期的なソーシャル製品開発機能により、コラボレーションを効率化"を提供できる」と語る。
加わったないし強化された機能があまりに多いので、主なものだけ取り上げるとすると、まずは「ダイナミックフィーチャ編集」が挙げられる。同機能は、リアルタイムでパラメトリック変更が可能になる機能。2つ目はこの編集機能では「RMB経由でアクセス可能」になったことにより、サムネイル表示が可能となったほか、寸法やリレーションなどをリアルタイムで設計者の意図を守りながら変更することができるようになったという。3つ目は「"解決モード"の削除」で、これにより、パラメトリック手法による設計での変更時に生じていた失敗フィーチャ状態を、後回しにして、作業を進めることができるようになった。
このほか、ドラッグするだけでパーツを分離する直感的なパーツ分離ができるようになったり、Microsoft(MS)のOffice 2007のUIに用いられている「リボン」の採用などが行われている。
また、ソーシャルコンピューティングと製品開発を融合させた概念「ソーシャル製品開発」もPro/E Wildfire 5.0では取り入れている。
これについてBuchowski氏は、「これまでIMやWebベースのデータのやり取りはあったが、製品開発にソーシャルコンピューティングが有効に用いられてきたとはいえない」とし、同概念を取り込んだことにより、有効活用が可能になったという。具体的には、MSのShare Pointをベースに、その上にPTCのPLM製品「Windchill ProductPoint」のレイヤを形成し、さらにその上でPro/E Wildfire 5.0を動かすことで、「誰がどこで変更を加えたのか、などを確認できるようになった」(同)という。例えば、設計用のwikiを作り、その場で設計変更の要望を誰かが提案した場合、他の関係者らを交えたチャットにてそれぞれ意見を聞く。そして、最終的に変更が行われる場合、誰が変更を加えるのかを決定、決定者は設計変更を行い、そのデータが蓄積されるほか、wiki上に何故変更を行ったかなどの説明表記などを加えることができるほか、RSSにより関係者全員に変更通知を送ることができるといったことが可能になる。改めて、変更について再定義したいと思えば、更新した情報をそれぞれのワークステーション上で確認した後、再び同じような手順を踏めば良いこととなる。
なお、Pro/E Wildfire 6.0の開発もすでに進んでおり、モジュール/機能群の拡張、追加が行われる予定で、いくつかの主要な構想にフォーカスした開発を行っていくとしている。
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