【インタビュー】
昨年から今年にかけて、もっともIT業界を沸かせたキーワードの1つが「SSD (Solid State Drive)」だろう。特にここ最近はHDDに負けない数十GB-100GB超クラスの製品が次々と登場しているうえ、価格的にも一般ユーザーの手が届くレベルに落ち着きつつある。これを支えているのが「フラッシュメモリの低価格化」「MLC SSDの普及」「SSD技術の向上」である。その立役者の1人である米SanDiskプレジデント兼COOのSanjay Mehrotra氏に、SSDやフラッシュメモリ市場の現状、将来の展望、そして同社の最新戦略について話を聞いた。
――SanDiskの現状は?
Mehrotra氏 SanDiskの現在の戦略は、さまざまな市場においてSSDを展開していくのが目標だ。また技術や価格面でのリーダーシップを担っていきたい。設立から21年の歴史において、デジタルフィルムの分野で革新を行ってきたが、それが現在では(SanDiskの開発した)microSDカード規格で携帯電話の分野では独占的なフォームファクタを実現している。特に製造と技術開発においては東芝と10年来の提携関係にあり、半導体業界の中でも最も成功した提携となっている。両社のジョイントベンチャーの提携を軸に、今後も業界でリーダーシップを発揮していきたい。
――昨年2008年秋に韓国のSamsung ElectronicsがSanDiskの買収に名乗りを挙げたが、その後の経過は?
Mehrotra氏 Samsungは(金融危機の影響でSanDisk株価が暴落した)2008年9月に買収の意向を示したが、SanDiskの取締役会が買収価格や知的所有権(IP)についての条件を提示したところ、最終的に買収提案を取り下げている。その後SanDiskでは生産能力の強化を目指し、2009年1月に東芝とのジョイントベンチャーの体制見直しの一環として、同生産設備の20%強を東芝側に売却した。これにより財務状況が改善された。さらに将来、戦略的にキャプティブ・サプライ(Captive Supply)と、ノン・キャプティブ・サプライ(Non-Captive Supply)のバランスをとることにより、NAND製造における柔軟性の向上も見込める。
――製造体制の刷新で具体的にどのような効果があったのか?
Mehrotra氏 キャプティブ・サプライとは、自身が使用する製品の製造設備を自身では保有せず、サードパーティなどの他社から購入を行うことだ。例えばフラッシュメモリであれば、東芝やHynixから製品を購入することにあたる。半導体業界というのは常に需要と供給が変化しており、より良いマネージメントが要求される。それはビジネスであり、製造設備であり、在庫管理であり、マーケットのポジションだ。マネージメント改善を目指し、ジョイントベンチャーの製造設備の一部を東芝に売却した形だ(売却前のもともとの出資比率は50:50だった)。これにより、需要予測に基づいて柔軟に製造や在庫の管理が行えるようになった。
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