性能要件に柔軟に対応

日本ラドウェア株式会社技術本部 ソリューション・アーキテクト 出雲教郎氏

1997年、マーケットで最も早くロードバランサを市場投入し、「マーケットで最も歴史がある」(同社)ベンダーがラドウェアだ。同社はグローバル負荷分散技術に関して特許を取得済みであり、障害時の迅速な復旧に関して一定の信頼性を確保している。

この点に関して同社は、「アプリケーションスイッチとしての基本機能は各社とも差別化が難しくなってきている状況だが、グローバル負荷分散に関しては他社との差がまだ大きい」とのことだ。

また、ソフトウェア・ライセンス方式によるスループットの拡張に対応しており、ハードウェアを変更することなく性能を向上させることができる。これは同社の製品に一貫して採用されているハードウェアプラットフォーム「OnDemand Switch」によって実現されているものだが、サイジングにおける柔軟性を提供し、顧客の成長に合わせた現実的な投資を可能にしているという。実際に「このプログラムが導入の決め手となったケースが多数ある」とのことだ。

冗長化構成にも強み

日本ラドウェア株式会社パートナー事業本部長 新倉隆道氏

OnDemand Switchによるスケールアウトは、拡張の際にネットワークを停止させることなく作業が行えるというメリットがある。「帯域を変更するとなると、ハードウェアのアップグレードが必要になる製品が多いが、これはユーザーにとって懸念材料となる要素」とのことだが、この点も同社の大きなアドバンテージとなっている。

また、本番機と予備機を専用のシリアルケーブルなどで接続する必要がなく、標準のプロトコルによってデータの完全な同期が高速に行われるため、「ルータを二重化する感覚でフェイルオーバーを実現できる」という。

なお同社は2009年2月にノーテルネットワークスのAlteon事業を買収している。詳細については検討中とのことだが、Alteonの「WebOS」は今後も提供されていくとのことだ。また、Alteonのブランドやサポート、販売は継続していくとの考えを示してくれた。

製品ラインナップ

AppDirector OnDemand Switch
OnDemand Switch 1
OnDemand Switch 2

『出典:システム開発ジャーナル Vol.10(2009年6月発刊)
本稿は原稿執筆時点での内容に基づいているため、現在の状況とは異なる場合があります。ご了承ください。