【インタビュー】
数台規模から数千台規模と大小はあれ、すでにいくつかの企業はiPhoneを正式に業務に導入し活用している。ビジネスシーンにおけるiPhoneの活用でもっとも多いのは、メールの閲覧とスケジュールの閲覧だ。どこにいてもメールをチェックし、スケジュールを管理できる。営業職や管理職には欠かせない機能だ。
しかしiPhoneというガジェットの能力はこれに留まるものではない。メールのチェックやスケジュールの管理は携帯電話からもできる。iPhoneが優れているのはアプリケーションとしてそうしたツールを導入できるという点にある。Webアプリケーションではなく専用のアプリケーションとして機能を提供できるため、携帯電話には実現できない使いやすさをそこに見出すことができる。
iPhoneなら移動中のタクシーの中で、次の商談で使うプレゼンテーションデータをリアルタイムにサーバにアクセスして取得し上司と確認したり、逆にどこにいてもiPhoneを使ったプレゼンができるようになる。顧客に、用意していった資料以外の情報を求められた場合でも、iPhoneならデータサーバにアクセスして必要なデータをその場で提示するということができる。社内稟議や上司への許可申請もiPhone経由で行い、その場で商談成立という可能性も高まる。
こうした操作はノートPCやネットブック+通信デバイスでも可能だが、手軽さが違う。バックからネットブックを取り出してサスペンド状態からレジュームし、ネットに接続して、といった作業と較べて、iPhoneならポケットから取り出して指で操作するだけだ。チャンスを逃さない、機動力がありスピーディに動く、これがiPhoneをビジネスで活用する場合のポイントだ。
今回は日本オラクル システム事業統括本部 担当シニアディレクター 西脇資哲(にしわきもとあき)氏に、業務で利用する際のiPhone導入ポイントについてお話を伺った。
iPhoneが登場したとき、そのビジネス用途における潜在能力の高さに気がついたアナリストやエンジニアはかなりの数に及んだようだ。しかし一方で、ビジネスシーンにおけるiPhoneの普及を疑問視する声もあった。iPhoneにはほかのPDAやスマートフォンが搭載しているようなセキュリティ機能が搭載されていないため、ビジネスシーンでの採用は難しいだろいう、というものだ。言ってしまえばiPhoneには4桁のコード入力しかセキュリティがない。
ハードウェア的な対応としては指紋認証などのバイオ認証機能の搭載、ハードウェアレベルでのデータの暗号化、ほかのデバイスからの制御機能の搭載などいくつか考えられる。しかしいくらハードウェア的にセキュリティ機能が搭載されても、使われなければ意味がない。こうしたガジェットのセキュリティを考える場合、モラルや教育/運用という側面も同時に考える必要がある。またiPhoneの魅力はデバイスではなく、ハードウェア/ソフトウェア/サービスが三位一体で提供されていることにある。つまり、そのすべての面でセキュリティを考える必要があるのだ。
iPhoneに限らず、こうしたモバイルガジェットをビジネスで活用する場合、すべてのデータをサーバに集約し、サーバ側でアクセス制御をするという方法がある。仮にモバイルガジェットを紛失したとしても、それは個人のモラルの問題であると仮定し、またそうなるようにサーバシステムも構築する。こうすることで利便性を享受しつつ、セキュリティも一定レベルに保てる。
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