以前にもお伝えしていた、「ELTいっくんオーディション」ですが、6月7日、ニコニコ動画生放送内でついにグランプリが決定しました!
いったいどんなオーディションだったのか、そして誰がグランプリに輝いたのか、その一部始終をレポートしていくことにします。
なお、部屋の大きさの都合上、記者は別室に待機してモニターで生放送の様子を見ていたため、写真は主にそのモニターを撮影したものとなっています。よって角度や画質などがかなり残念なことになっていますが、これも臨場感をそのままお伝えするため……とポジティブな言い訳で逃げたところで、まずは今回の企画を簡単におさらいしておきましょう。
「ELT伊藤一朗 ソロプロジェクト ボーカルオーディション」とは、2009年8月5日に発売される予定のELT伊藤一朗のソロアルバムに参加するボーカルを、ニコニコ動画を使って募集しようというこれまでにない新しい試み。
約一カ月間の応募期間の中、専用のタグをつけてアップ=応募された動画はなんと845作品にも上り、過去行われたニコニコ動画の公式企画の中でもトップクラスの盛り上がりを見せていました。
審査する方も大変だっただろうと思いますが、ともあれ5月29日にまずは1次選考として4名のファイナリストが選出。そして今回、実際にニコニコ生放送に出演して生の歌声を披露し、その場でグランプリが決定されることになったのでした。
ちなみにグランプリを決める選考に臨むのは、いっくんの他、エイベックスのスタッフ2名、そして何とニコニコユーザーにも投票権が与えられ、これに生放送のコメントは俄然ヒートアップ。やはりお祭りをただ見るのと参加するのとでは盛り上がり方が違いますね。
持ち票数は、「いっくん=2票」「エイベックスの2名=それぞれが1票×2」「ニコニコユーザー=1票」となり、もっとも得票数の多かったファイナリストが、グランプリの栄冠を手にすることになります。
応募動画とは違い、生放送での一発録りですから緊張しないほうがおかしい。そう思うと、見ているだけの僕たちも何だかちょっとドキドキしてきます。
まず最初に登場したのは、ハイジ。
福岡県出身の21歳で、現在は就職活動中なのだとか。それでも夢を諦めきれずこうして応募してきたという彼女の歌声はどんなものなのか……。
生放送の動画は残念ながら現在はご覧いただけませんので、とりあえずファイナリストたちの応募動画の方へリンクしておきます(生放送の模様は後日公開されるとのこと)。
一番手ということもあり、緊張のせいかラストのほうは泣きそうになりながら歌いあげたハイジさんには、コメントで「がんばれ!」の大合唱が沸き起こっていて、見ている記者も思わず身を乗り出してしまいました。
続いて2番手に登場したのは、謎の人物K。青森県出身の28歳。オーディションに参加したきっかけは「運命を感じてしまったから!!」と元気いっぱい。
収録後のトークでは、「これでもう"謎の人物"じゃなくなりましたね」といっくんにツッコまれて照れ笑いを見せた謎の人物K。普段は「アニソンや知り合いの作家さんの歌を歌っています」とのことで、今後も彼女の動きに注目したいところです。
そして3人目は、埼玉県の26歳。シンガーソングライターのeye(アイ)。
「いつもいいところまではいくのに、最後の一歩を踏み出せずにいるので、今日は先に行きたいと思います!!」と意気込みを事前のオーディション用アンケートに綴ってくれた彼女の歌声を、いっくんはどう見るのか。
ちなみに彼女の特技はヤギのモノマネだそうで、トークの時間にしっかり披露してアピール(?)していました。
ファイナリスト最後の4人目は、菜月(なづき)。愛知県出身の24歳。応募動画に映っていた彼女の部屋が散らかっていたことを指摘するコメントがあったからか、オーディション用のアンケートには「部屋、片付けました!!!」と返信する律儀さも。
トーク時には「1票ください!」とニコニコユーザーにアピールし、これにてファイナリストたちのオーディションはすべて終了、あとは審査結果を待つのみ……だったのですが、ここで待ち時間を使っての特別企画が。
実はこのELTいっくんオーディション、いちおう「女性限定」というルールがあるにはあったのですが、告知生放送時にいっくんが「男でもいいんじゃないですか」と軽いノリで言ったことから、結構な数の男性の応募があり、しかも再生数でファイナリストたちを凌ぐほどの人気を獲得した者まで出てきていたのです。
ならばせっかくの機会、オーディションとしては対象外ではあるものの、その歌声を聴いてみようではないかということで、特に人気の高かった2名の男性応募者を特別招待枠として設定し、今回このためにわざわざ来てもらっていたのでした。
その一人が、Sevenspirit。香川県出身の29歳で、一度音楽をやめてしまっていたものの、やはり音楽をやりたいと思ったとき、ちょうど見かけたのがELTいっくんオーディションだったとのこと。
男性ながらELTの楽曲を難なく歌いこなす高音には誰もが驚かされましたが、生放送でも応募動画以上の歌声を響かせ、ユーザーからのコメント数もここへきてさらに急上昇。生放送も終盤近くになり、なおこれだけ盛り上げる実力はまさに本物です。
そして特別招待枠2人目にして、大トリを務めたのは、ハイトーンボイスとライブ感あふれるシャウトで視聴者を虜にした鋼平。東京都出身の30歳で、なんとこの日はライブ帰りでそのまま歌うという強行スケジュールで参戦。
生放送でも応募動画のノリそのままに高らかに歌い上げ、ユーザーに向かって「HEY!」と書きこむよう煽るなど、盛り上げ方もバッチリ心得ていた鋼兵。なんと「HEY!」の部分は弾幕となり、ニコニコ動画のサーバーが落ちてしまうんじゃないかと心配になるほどのコメント速度を叩き出して、最終的には画面が見えなくなっていました。
さすが、ファイナリスト4名のうち、2名がアンケートの「好きな歌手」の欄に「鋼兵」と記入しただけのことはあります。正直、彼のパートが今回の生放送で一番盛り上がっていたように思いました。
――以上で終了となった、ELTいっくんオーディション。
審査の結果、グランプリに選ばれたのは、何と5票すべてを獲得するという圧倒的な支持を集めたハイジでした。
今の喜びを「母に伝えたい」と涙を流したハイジ。これまでにも「歌ってみた」動画などを投稿していたという彼女が、今回のオーディションを機に今後どんな活躍を見せてくれうのかが楽しみです。
そして今回のオーディションを最後まで見届け、「もっとギャグ的な作品が多いと思っていました」とガチンコ動画の多さに驚いていたいっくん。「ニコニコ動画を通じて、通常とは違う人たちとの出会いがありました」と満足げな表情を浮かべていたのが印象的でした。
ユーザーと歌い手、そしてプロのミュージシャン――三者三様に盛り上がった今回の企画、今後もさらに新しい企画がニコニコを通して生まれ、眠っている才能の発掘の場になっていってほしいと思います。