初の「Decision Engine (意志決定エンジン)」とは?

ここからはBingの紹介に移る。Microsoftが「初の"Decision Engine (意志決定エンジン)"」と銘打つように、Bingは目的性の強い "特定の用途に特に力を発揮する" ツールとなっている。同社によれば「ショッピング」「旅行」「ローカル情報」「医療」の特に4つの情報検索において、目的の情報を素早く、かつ(比較的)正確に取り出せる点が特徴だ。また通常の検索結果も該当ページの羅列ではなく、検索結果を補助する各種追加リンクが出現するなど、数クリックで目的の結果に近付くことが可能になっている。

Bingの基本画面。「hotel deals in las vegas」と入力すると、スポンサー広告のほか、地図と一緒にホテルの位置や価格、ホテル情報サイトが出てくる

まずは旅行の部分をみてみよう。例えばキーワードに「hotel deals in las vegas (ラスベガスのホテル情報)」と入力すると、単にページがずらりと並ぶ通常の検索結果表示ではなく、地図やホテルの価格情報が表示される。このように入力したキーワードに応じてページの構成そのものがダイナミックに変化するのがBingの特徴だといえる。ここでの注目は画面左上の「Quick Tabs」と呼ばれる領域で、ここで検索結果表示内容や方法(ビュー)の切り替えが簡単に行える。例えば前述の「hotel deals in las vega」の場合、Quick Tabsの2番目の項目には「Hotel Deals」が表示されている。ここでこのタブを選択すると、検索結果表示ががらりと切り替わり、日付入力が可能になるほか、ホテルのランクやアメニティなどで結果の絞り込みが行えるようになる。つまり、Bingをそのままホテル予約サイトとして利用できるわけだ。専門サイトとの違いは、"Bing"という1つの窓から複数のサービスを利用できるという、いわゆるYahoo!ポータル的な仕組みなところだ。

画面左上の「Quick Tabs」で「Hotel Deals」を選択すると、ホテル検索メインの構成になる。日付やエリアを入力し、項目を選択することで絞り込み検索が行える

検索結果は写真やアメニティ情報付きで一覧表示される

同様に「digital cameras」と入れると、まずトップの検索結果にリンク一覧が出現し、関連ブランドのほか、商品検索やレビューページを直接参照できる。またQuick Tabの選択で直接価格比較を出すことも可能。Live Search Cashback改め、Bing Cashbackも利用できる

旅行気分に浸りたい人は画像検索も試してみるといいだろう。例えば「space needle」というキーワードを入力すると、数々の画像とともに立体地図で「Space Needle」を含む周囲の様子が表示される。この地図はいわゆる「Virtual Earth」そのもので、視点を自由に変更しながら立体地図の中をちょっとした観光気分で移動できる。Virtual EarthはLive Searchの再ブランディングに合わせて名称が「Bing」に変更されているが(画面に注目)、サービスとしてのVirtual Earthの名称そのものは残されているとMicrosoftでは説明する。

画像検索の一例。シアトルのランドマークである「space needle」と入力すると、画像一覧に加えてVirtual Earthによる立体地図表示もついてくる

Virtual Earthは「Bing」にブランド変更が行われており、Virtual Earthという名前は企業向けサービスに名前を残すのみとなる。立体地図は複数の主要都市のほか、山などの自然風景にもテクスチャデータが包含されており、近付くことでまさにバーチャルツアーを楽しめる