20日からの3日間、パシフィコ横浜において「人とくるまのテクノロジー展 2009」が開催されている。まず最初は、このショーで展示された発表直後のニューモデルについて。

当日発表のレガシィを持ち込んだスバル

同展は技術展示を中心としたビジネス向けのショー。東京モーターショーのように、これに合わせてニューモデルが発売されることは少ない。しかし自動車メーカーのブースでは、直近に発売されたモデルを展示し、それに搭載された技術をアピールする手法が取られることも多い。そんな自動車メーカーのブースを集めてみた。

スバル(富士重工業)は、まさにこの5月20日に発表された新型「レガシィ」を展示した。ブース脇に「実車展示は10:30より」と貼られていたが、レガシィの発表時間に合わせたのだろう。当日発表ということもあり、凝った展示はなかったが、回りにはエンジンやトランスミッションなど、搭載された新技術を解説するパネルが置かれていた。

スバルのブースに置かれたレガシィ ツーリングワゴン

エンジンやミッションなど、レガシィの技術を解説したパネル

トヨタとホンダは話題のハイブリッドモデルを展示

トヨタブースの中心は、発表されたばかりのハイブリッド車、3代目「プリウス」。エンジン+モーターのハイブリッドシステムやバッテリー、パワーコントロールユニットのカットモデルが置かれ、最新技術をコンパクトに搭載していることをアピール。プリウスの回りは常に人だかりしていた。

ホンダブースはトヨタのとなり。当然ながら話題のハイブリッド車「インサイト」を展示していた。こちらはエンジンだけでなく、ボディを丸ごと割ったカットモデルを置き、電気の流れなどが分かるように解説していた。バッテリーと室内空間の関係も把握しやすく、なかなか興味深かった。

トヨタの新型プリウス。展示としては地味だが、黒山の人だかり

プリウスのハイブリッドシステムのカットモデル

ホンダ インサイトのカットモデル

エンジンもちょうどモーター部がわかるようにカット

マツダのアイドリングストップ機構、ダイハツのボディ剛性の秘密

マツダブースは6月11日から発売される「アクセラ」を展示していたが、中でも独自のアイドリングストップ機構「i-stop(アイ・ストップ)」を解説していた。これは信号停止などでエンジンをいったん止める機構だが、再始動の際にセルモーターではなく、燃料を噴射することでエンジンをスタートさせる「燃焼始動方式」を採用。直噴エンジンならではの技だ。再始動時間はわずか0.35秒だという。

ダイハツは最新モデルではなく、発売から1年半が経過した「タント」を展示。人気の高さの現われだろう。タントの特長は助手席側をセンターピラーレスとし、格段に乗り降りを容易にしたこと。ピラーレスで剛性は大丈夫なのかという質問が多いのだろう。会場にはタントの外板をカットし、剛性をいかに確保しているかが分かるような展示を行なっていた。

マツダのブース

「i-stop」の説明パネル

ダイハツのタント(手前はタント カスタム)

ドアの中にはぎっしりと剛性材などが詰まっている

ハイブリッド車や電気自動車をまとめて展示

主催者による特別企画展示として、「最新クルマのエコ教室」が行なわれていた。館内では、プリウスやインサイトのハイブリッド車、クリーンディーゼルの「エクストレイル」をはじめ、一般向けには販売されていないプラグインハイブリッド車や燃料電池車をまとめて展示。一同に眺めると、エコ化がけっこう進んでいるような気になるから不思議なもの。

合わせてピロティではエコドライブ講習会を開催。インストラクターに同乗してもらって、エコドライブを直接学ぶことができる。所要時間は30-40分というから、みっちり学べるはずだ。

「最新クルマのエコ教室」の車両展示。左はスバルの「プラグイン ステラ コンセプト」、右はトヨタの「プラグインHV」

スズキの水素燃料車「SX4-FCV」

なぜエコが必要なのか? の解説パネル

ピロティで行なわれていたエコドライブ講習会