【レポート】
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インテルのインテル技術本部 本部長である及川芳雄氏(写真提供:インテル) |
5月13日から15日までの3日間、東京ビッグサイトで、「第12回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」が開催された。展示会場で各社がさまざまな自社技術などの紹介をしていたのとは別に数多くの専門セミナーが開催されていたので、今回はその中から、インテルのインテル技術本部 本部長である及川芳雄氏による講演をレポートしたい。
同氏の講演は「ハードウェア技術トラック」の中の「マルチコアの動向と低消費電力技術」というセミナーの枠にて、「マルチコア時代の幕開けに向けた、インテルが取り組む課題と開発の最新状況」と題して行われた。
前半は、Intelの話をするとき欠かすことができない"ムーアの法則"や、これまで発表してきたCPUブランドやConnectivityの変遷、45nmのCMOSプロセス技術といった話が中心で、2003年の「Centrino」の発表について「それまでワイヤレスLANを搭載することは珍しかったが、"Centrino"により世の中の利用形態が変わった」としたほか、WiMAXについて「UQコミュニケーションズがサービスを開始したが、Intelとしてもイノベイティブの開発を進めており、パラダイムシフトを今後も実現していけるように今後もさまざまなイノベーションの提供に向けた開発を続けていきたい」と抱負を語った。
また、同社の45nmプロセスだが、「トランジスタ開発はIntelのハート」と述べ、99年後半から開発を開始、High-K/メタルゲート(HK+MG)の採用によりSiO2では困難だったリーク電流の低減が可能となったほか、「ローパワーからハイパワーのプロセッサまで45nmプロセスで、より幅広い分野にIAを届けることができるようになった」とし、Atom(Silverthorne)やSoCによるローパワー/ローコスト分野から、2009年後半から2010年にかけて発表予定の16コア以上のコア搭載プロセッサ「Larrabee」によるVisual Computing/HPC分野まで1つのプロセスアーキテクチャで対応できるようになったことを強調し、今後はエクストリームの領域のCPUをいかにメインストリームの領域に持ち込むかに注力していきたいとした。
及川氏は、プロセスの微細化についても言及。最近のプロセッサ(Nehalem)のトランジスタ数が7億を超していることに触れたほか、次世代Itaniumでは20億トランジスタを超す予定であるとした。
また、32nmプロセスが2009年後半に登場予定であるとしたものの、プロセスの微細化が10年以内に終わりが見えてくる可能性があることに言及。「さまざまな課題が存在しているが、そうした課題に対してどう取り組んでいくかが重要」と語り、歪みSi技術やHK+MGなどの技術を採用することでプロセスの延命を図ってきたことを提示する一方、微細化による抵抗の上昇が重要課題となっている配線材料のCuを代替が見つからないため今後も使用していかなければならないとしつつ、別材料の調査も続けていくとした。
さらに、これまでは処理性能の向上だけに注力していれば良かったものが、最近ではそれと並んで消費電力の低減が求められると指摘。「Nehalem」では、従来以上に詳細なドメインの部分ごとに最適な電力を提供できる仕組みを搭載したほか、「Integrated Power Gates」によりコアごとに電力のON/OFFを可能とし、使用しないCPUコアの電力を0にすることが可能になったほか、それに付随する「Turbo Mode」、電源制御ユニット「PCU(Power Control Unit)」のリアルタイムな電圧/電流/温度の監視による最適なトランジスタパフォーマンスの実現がなされているとした。
なお、今後のCPUのトレンドとしては、「マルチコア」や「マルチファンクション」が重要としたほか、SoC化がトレンドになるとし、グラフィックスやインタフェースの統合、ヘテロジニアス的なコアの搭載といったことに挑戦していく必要があるとする。
組込機器向けには「1からアーキテクチャを構築しなおした」とするAtomを推薦。Atomは「組み込み」「コンシューマ家電」「Netbook/Nettop」「MID」の4つのセグメントに向けて提供していく計画で、「組み込み業界の人もぜひ使ってもらいたい」とし、組み込み向けに従来よりも大きめなパッケージを用意したほか、7年間の製品供給期間などを実現し、組込機器で使いやすくなっていることをアピールした。
また、Atomコアとグラフィックスエンジン、メモリコントローラなどをSoC化した「Lincroft」とI/Oハブチップ「Langwell」で構成され、2009年もしくは2010年に提供を予定しているプラットフォーム「Moorestown」では、現行のAtomプラットフォームと比較すると、待機時の消費電力が1/10以下に低減するとし、スマートフォン的なものへの搭載も可能になるとする。
Moorestown以降も、引き続き低消費電力と高性能を両立するCPUの開発を進めていくとしており、「市場のトレンドは、さまざまなアプリケーションに最適化されたSoCもしくはSiPを提供していく方向に動いている。Intelでもそうした動きに追随し、新しいアプリケーションに対応していきたい」と語り、そのためには新たな材料やプロセス技術、アーキテクチャなどによるプロセスの微細化と電力効率の向上を実現し、組み込み業界にも用途に適したAtomの提供を行っていくとした。
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