3つ目の「地球環境起点」に関しては、「IT産業のCO2排出量は全産業の2%に過ぎませんが、ITを活用することで98%のCO2排出量を大幅に削減できる可能性があります」と語る野副氏。中でも重要なのがデータセンターの省電力化だ。

データセンターにおける電力消費の60%は、システム自体ではなく電源や空調などのファシリティが占めている。富士通ではここに注目し、11月に開設する館林データセンター新棟でも省電力技術を実装してファシリティ関連の電力消費量を半減する目標を設置。そこで得た技術やノウハウを、ユーザーにフィードバックしていくという。野副氏は「まだ詳細は発表できませんが、今後は光の技術や太陽光を併用することで、データセンターのCO2排出量を削減する考えもあります。この地球環境起点をさらに重視し、安心して暮らせる未来の地球を作るべく、IT産業として貢献できればと思います」と語る。

他産業のCO2排出量を大幅に削減できる可能性を秘めたIT産業

データセンターにおける電力消費の約60%を占めるファシリティ設備

11月に開設する館林データセンター新棟では、ファシリティ関連の電力消費量を半減する目標を設置

最後に野副氏は「富士通はこのような3つの起点の変革に、今後も一層取り組みを強化していきます。かけがえのないパートナーを目指すべくお客様と一緒に変革へ挑戦し続け、そして共に進化していくことをこの場で約束したいと思います」と語り、基調講演は幕を閉じた。