2009年7月よりTBSとBS-TBSにて、TVアニメ『大正野球娘。』がスタートする。この作品は女性がスポーツをすること自体が珍しかった大正時代を舞台に、野球チームを結成してゆく女子中学生たちの奮闘を描くというものだ。

中原麻衣演じるピッチャーの小笠原晶子(左)と、伊藤かな恵演じるキャッチャーの鈴川小梅(右)のバッテリーが並んだメインビジュアル。TBSほかにて7月よりプレイボール!

■TVアニメ『大正野球娘。』ストーリー概要
時は大正、洋食屋「すず川」の一人娘、小梅は東邦星華高等女学院に通う十四歳。良家の子女が通う学院で、仲良しの"お嬢"こと晶子が突然、「一緒に野球をしていただきたいの!」と。なんとなく頷いてしまった小梅だが、九人集まるのか、道具は何をどう使うのか、ルールはどんなものなのか、分からないことだらけで……。
世の中に「大正モダン」が生まれても、まだまだ男尊女卑のこの時代、はたして小梅たちは、野球がまともにできるのか!?

個性豊かな大正時代の女子中学生たちの活躍が見どころとなっている本作。原作は神楽坂淳氏の同名ライトノベルで、伊藤伸平氏によるコミカライズ作品も『月刊comicリュウ』誌で連載中となっている。スタッフ編成に目を移してみると、監督とシリーズ構成に池端隆史氏(『ぽてまよ』など)、キャラクター原案はこうたろ氏(フィギュア『それゆけ! 女性自衛官』キャラクターデザインなど)、アニメーション制作はJ.C.STAFF(『のだめカンタービレ』など)が担当。そのほかにも美術監督に大御所・小林七郎氏が参加するなど、粒よりの布陣となっている。


メインキャスト陣11名が語るTVアニメ『大正野球娘。』

先ごろ都内スタジオにてアフレコが行われ、鈴川小梅役の伊藤かな恵、小笠原晶子役の中原麻衣、川島乃枝役の植田佳奈、宗谷雪役の能登麻美子、月映巴役の甲斐田裕子、月映静役の喜多村英梨、石垣環役の広橋涼、桜見鏡子役の牧野由依、菊坂胡蝶役の後藤沙緒里、尾張記子役の藤村歩、アンナ・カートランド役の新井里美といった総勢11名もの華やかなメインキャストたちが、それぞれのポジションに対しての意気込みを語ってくれたので、そのメッセージをお伝えしよう。


■伊藤かな恵(鈴川小梅役)
「小梅です。洋食屋の娘です。明るくてすごい元気な子でポジションはキャッチャーをすることになります。野球というのが男の子のスポーツだという時代に、初めてなにも知らない子たちが、力を合わせて、それぞれが持っている知識を集めてゼロからやっていく、みんなの奮闘ぶりをぜひ観ていただきたいと思います」

■中原麻衣(小笠原晶子役)
「晶子はお嬢様で、すごいお家に住んでいるお嬢さんなんですけど、じつは負けん気が強くて、今回野球をやろうと言い出したのも晶子だったりするので、がんばっていきたいなと思います。ポジションはピッチャーです。女の子はお嫁さんになって、家事をして子育てをすればいいんだという時代のなかでがんばる女の子たちを見て、まわりがどう変わっていくのかもポイントだと思っています。個人的には(晶子の)許婚である岩崎さんとの関係がどうなっていくのかなというのも楽しみです」

■植田佳奈(川島乃枝役)
「乃枝はちびっこのメガネっこなんですけど、このチームのなかで参謀的な役割を果たしています。乃枝的な見どころはやっぱり頭脳プレイです。それぞれの特性を活かしてポジショニングを考えたりとか、ひとり足りないといって胡蝶ちゃんをスカウトに行ったりとか、運動が苦手な分、頭脳でがんばっておりますので、その辺の戦略的な仕切りをぜひ観ていただきたいと思います」

■能登麻美子(宗谷雪役)
「(雪は)メンバーのなかで野球にわりとくわしい女の子だと思います。わりといつもト書きに『にっこりと』という表記されることが多いです。おだやかですが言うことは言うキャラクターです。やっぱりこの時代に一所懸命に野球というスポーツに対してみんなで取り組んでいて、野球への思いがあるなかでみんなでひとつの目標に向かって進んでいくというところが面白いと思います」

■甲斐田裕子(月映巴役)
「(巴は)スポーツ万能でちょっとボーイッシュな、天然のキャラです。後輩からキャーキャー言われるような人気のある子ですが、かなり天然で、ほのぼのしたすごくいい子だと思います。野球をみんなががんばる姿も面白いし、声を入れながら笑ってしまうギャグシーンもあったりして、こだわりがあって楽しい作品だなと思います。巴はひとりでかき回しているような気もしますが、自分が思った道をまっすぐ、ケラケラ笑いながら行く姿を観てほしいなと思います」

■喜多村英梨(月映静役)
「(静は)巴のことが大好きで気になってしょうがなくて、性格的にはあまのじゃくなところもあって、損をする役回りという感じですけども、なんだかんだでまわりの人たちに対して優しさが見える一面を持っているキャラクターです。野球の世界にのめり込んでいく巴の世話焼き係として、いつの間にか自分も巻き込まれているという、静の生真面目さに注目していただきたいです。全体的にはやっぱり女性が、うまくないのに大真面目に、ふんわりやんわりと、ちょっと抜けているんだけど一所懸命やっているという、ほんわかする作品だと思っていますので、お楽しみください」

■広橋涼(石垣環役)
「環は不器用でぶっきらぼう、ちょっと恥ずかしがり屋で、野球のことも少し知っている、そんな人です。大正ってこんな感じだったんだな、というのを演じながら面白いなと思っていて、そこを観てほしいです。(劇中に)歌もいろいろ出てくるんですけど、いまあんまり聞いたことない歌もいっぱい出てくるので、楽しんでください。環さん的には結構苦労人だな、みたいな感じでいろんなところで突っ込んだりしているので、そこもぜひ観てやってください」

■牧野由依(桜見鏡子役)
「鏡子ちゃんは後輩の一年生で、巴お姉さまのことがとても大好きで、野球部に入った理由も『巴お姉さまのために死ぬ気でがんばります』という不純な理由で、でも彼女なりにいろいろがんばっている姿がかわいらしかったりします。野球を知らない子たちが一から始めるとこうなるんだ、というのがすごくリアルに描かれていると思いました。鏡子的には画面の端とかで白目むいて伸びてることが多くて、そういう画面の端々まで観ていただくと誰かが面白いことをやっている、そんな作品だと思います」

■後藤沙緒里(菊坂胡蝶役)
「胡蝶はもともと陸上部に所属していたのですが、野球部に自分の居場所を見出して、一番最後に仲間入りした女の子です。性格的にはおとなしくて、生真面目だけど引っ込み思案です。陸上部でタイムを伸ばすことができなくて、自信をなくしていたところに『野球部に入りなよ』と必要とされて、野球をすることによって彼女たちがどんなふうに成長していくか、自信をつけていくかというのが見どころのひとつだと思っています」

■藤村歩(尾張記子役)
「(記子は)新聞部の女の子で、同じ部の子たちを次々と野球部に引き抜かれ、しまいには自分も掛け持ちでやらされる子です。しっかり者なのに、まわりに巻き込まれてちょっと困ったことになるような、コミカル寄りな女の子かなと思って演じています。『女性に野球なんて』みたいなことを言われたりする時代のなか、本当に一所懸命、『自分たちがこうしたいんだ』という女の子たちの意志は、余計にかわいらしさや女の子らしさを引き立ててる気がします。記子のコミカルさや、それによっていかにみんなががんばっているかを引き立てることができたらなと思います」

■新井里美(アンナ・カートランド役)
「監督やってます。溌剌としたアメリカ人教師で、時々英語の発音がよくわかりませんが、元気な人です。やっぱり大正という時代がすごくいいなと思います。1回目の収録で面白い納豆屋さんが出てきたり、小梅ちゃん家の洋食家さんにしてもゆっくりとした時間が流れていたり、人と人とのコミュニケーションもこういう感じで、すごくいい作品だなと思います。アンナ先生的にはみんなを盛り上げて楽しくやっていこうという気持ちでやっていますので、観てください」


TVアニメ『大正野球娘。』は、2009年7月より、TBS、BS-TBSにて放送開始予定。

■TVアニメ『大正野球娘。』おもなスタッフ
原作 / 神楽坂淳『大正野球娘。』(トクマノベルズEdge)◆監督・シリーズ構成 / 池端隆史◆脚本 / 池端隆史、天河信彦、白石雅彦◆キャラクター原案 / こうたろ、小池定路◆キャラクターデザイン / 神本兼利◆音響監督 / 本山 哲◆音楽 / 服部隆之◆美術監督 / 小林七郎◆アニメーション制作 / J.C.STAFF

■TVアニメ『大正野球娘。』おもなキャスト
鈴川小梅 / 伊藤かな恵◆小笠原晶子 / 中原麻衣◆川島乃枝 / 植田佳奈◆宗谷雪 / 能登麻美子◆月映巴 / 甲斐田裕子◆月映静 / 喜多村英梨◆石垣環 / 広橋涼◆桜見鏡子 / 牧野由依◆菊坂胡蝶 / 後藤沙緒里◆尾張記子 / 藤村歩◆アンナ・カートランド / 新井里美
(C) 神楽坂淳/徳間書店・東邦星華桜花会