ある結婚適齢期の草食男子を主人公に、「積極性を身につけるために必要なこと」を10回にわたってご紹介する本企画。職場などで苦手な人がいるために自分らしさを出せず、他の出会いも逃してしまっていることはありませんか? 3回目となる今回は、草食男子の主人公を通して、苦手な女性の克服法をご紹介します。

監修 : 結婚相談所シャルウィ 代表カウンセラー 伊藤小百合さん

1974年4月生まれ。アメリカ留学後に英会話講師、ホテルのフロント業を経て、人のお世話をする仕事に就きたいという思いが強くなり、2005年5月に結婚カウンセラーの資格を取得。2008年4月には神奈川県横浜市に結婚相談所「シャルウィ」を開設した。全国に1,000支部以上を持つ日本ブライダル連盟加盟。男性と女性の専任カウンセラーがそれぞれおり、お見合いやパーティー、オリジナルのセミナーなど様々な婚活方法で成婚までをプロデュースしている。ホームページは「結婚相談所シャルウィ」。

【Vol.3】職場の苦手な人に優しくしてみる


「……ます。」

仕事がバリバリできる2つ上の先輩女性の前では、いつも緊張する。それで語尾しかはっきり聞こえない、蚊の鳴くようなあいさつをしてしまう……。誰しも職場に苦手だと思う人がいるだろうが、僕は意識し過ぎて会社ではひたすら目立たずおとなしくしている。その結果、他の女性社員の目にもとまらない、のだろう。

結婚カウンセラーからのアドバイス

日常生活の時間を最も多く費やす職場において、苦手な人が1人や2人いることで、自分を抑えて消極的になるのは損です。世の中には自分に合う人、合わない人はいて当然ですが、合わないから関わりを持たないというのではなく、苦手な人というのは、その理由を突き詰めてみると、イコール自分に足りないものを持っている人。そのことに気づいたら、苦手な人に対していきなり接し方を変えるのは難しいですが、他愛ない会話などで少しずつ距離を縮めてみてはいかがですか? 後々、新しい出会いにつながるかもしれないという期待も持ちましょう。

ある朝、エレベーターに乗り込むと、向こうから走ってくる例の先輩女性が見えた。いつもなら気づかぬふりをして「閉」ボタンを押すが、今日は僕なりの"賭け"として、「開」ボタンを押して待った。乗り込んできた先輩女性の「どうも」という低い声に、背筋が寒くなる。とりあえず「おはようございます」と挨拶すると、「おはよう。今朝の朝礼もきっと部長の話長いよね、嫌だなぁ」と意外な反応。「嫌ですね」と返しながら、「なんだ、部長に気に入られている先輩も同じこと考えてたりするんだ」と、上階へ上がる浮遊感とともに気持ちが軽くなっていった。

結婚カウンセラーからのアドバイス

苦手な職場の女性に対しては、変に優しくすると気があると勘違いをされて、余計に気まずくなることもあるので、まず要注意。女性は精神年齢が男性よりも高めなので、歳が近い男性を上から目線で見る傾向があり、時にはライバル感情をも持ちます。そのため、男性は同期や後輩に「おはよう」、「お疲れ」など気安く声を掛けがちですが、馴れ馴れしいなどと思う女性も中にはいます。「おはようございます」、「お疲れ様でした」といった節度ある言葉の方が清々しく優しい印象を与えますよ。

また、女性は男性の優しさに弱いので、例えば、書類などが床に落ちたらすぐに拾ってあげる、重たいものを持っていたら手を貸すなど、言葉は出なくてもさりげない優しさを表に出す。せっかく勇気を出したのに「どうも」と素っ気ない声色が返ってきたとしても、それは相手に優しさが伝わったから出てきた言葉だと素直に受け止めてください。自分が勝手に境界線を作って苦手意識を持っていただけで、相手はいつでも受け入れようとしていたことが往々にしてあります。相手にどう思われているか気にするよりもまず先に、自分からさりげない優しさで相手に一歩近づいてみましょう。

(つづく)