【レビュー】
オリンパス「E-620」は、フリーアングル液晶を搭載した小型軽量のデジタル一眼レフ機だ。昨年末に発売したミドルクラス機「E-30」と、昨年春に発売したエントリー機「E-520」の中間に位置し、初級者から中級者までの幅広い層をターゲットにしている。ライブビューや可動液晶、ボディ内手ブレ補正、ダストリダクション、アートフィルターなどこれまでに培った機能を盛り込み、Eシリーズの集大成的な製品に仕上がっている。なお、発表時の推定市場価格は標準ズームレンズ付属の「OLYMPUS E-620 レンズキット」で10万円前後。現時点での市場価格はマイコミジャーナル価格情報をご覧いただきたい。
ボディは、左右のバランスが取れた端正なフォルムだ。外装は表面にシボ処理を施した硬化樹脂素材で、価格の割りには見た目に高級感と剛性感がある。本体重量は約475g、サイズは130(W)×94(H)×60(D)mm。"手ぶれ補正内蔵のデジタル一眼レフカメラでは世界最小・最軽量"と謳われている。ただし従来機「E-420」やパナソニック「LUMIX G1」のように、圧倒的に小さいという驚きはなく、手にした印象はエントリー機としては標準的、またはやや小さいくらいといえる。
E-30やE-520に比べた場合、グリップ部がより薄く小さくなったが、キットレンズ装着時のホールド感は良好で、シャッターボタンの位置と操作感はしっくりくる。大口径ズームなどの大きなレンズを付けると、ボディ側が少々頼りなくなるが、オプションの「パワーバッテリーホルダー」を装着し、ボディの安定感を高めることも可能だ。
外観上の大きな特徴は、左右に180度、上下に270度まで回転する可動式液晶モニターを備えること。これまでの同社の可動式液晶は、上級機「E-3」やE-30などの大柄ボディの製品に限られていたが、気楽に持ち運べる小型ボディと可動式液晶を両立したことは、撮影の自由度を広げる大きなメリットになる。
背面のライブビューボタンを押すと、液晶にライブ映像が表示され、横位置と縦位置を問わずフリーアングル撮影を楽しめる。ライブビュー時のAFは、これまでの初級機E-420やE-520、E-30と同じく、3つの方式から選べる。すなわち、撮像素子のコントラストを検出してピントを合わせる「イメージャAF」と、通常のAFセンサーでピントを合わせる「全押しAF」、その両方を併用する「ハイブリッドAF」である。
このうち最も使い勝手がいいのは、イメージャAFだ。対応レンズが限られることと、合焦速度が遅いという弱点はあるものの、AF駆動の際にはミラーが上下せず、AF測距点は11点から選択できる。顔認識AFの利用も可能だ。イメージャAFに対応するレンズは、レンズキット付属の標準ズーム「ED14-42mm F3.5-5.6」やダブルズームキットに付属する望遠ズーム「ED40-150mm F4.0-5.6」など現時点では9本。イメージャAF非対応レンズの場合は、自動的にハイブリッドAFに切り替わる。
一方、ファインダーは視野率95%で倍率約0.96倍のミラー式を採用する。E-30よりも視野率と倍率は下がっているが、E-420やE-520などの入門機よりはワンランク上の見やすさといえる。ファインダー撮影時のAFは、当然ながらAFセンサーを使った一般的な位相差検出AFとなる。背面のAFターゲットボタンを押すと、十字キー操作によって7つのAF測距点を素早く選択可能だ。AFスピードは暗所では遅くなるが、それ以外では実用的な速度でピントが合う。……続きを読む
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